波のカナタ 12

大学 文化祭 晶 柚子 4
金曜日の学校帰りに駅の公衆電話で川瀬柚子に電話を掛ける。
「先生」
「ん。 晶くん? どしたのー?」先生の声を聞いてホッとする晶。
「……ん。__なんでもない。ちょっと声聞きたくて」
「そお? あ、けっこー声は美少女って褒められるw。明日、うちの大学、文化祭なんだけど。私、演劇部。よかったら観に来る? 教育大だし、小学生も結構来るよ」
「へぇー。行く!! __あのさ、先生。おばーちゃん元気?」
「うん。卓球上手くなったらしい。また、今度三人で卓球する?」
「行く」

土曜日、先生の大学の学祭に行く。柚子は、演劇部の教室で準備を手伝う。後輩の男の子が晶と遊んでくれる。くすぐりっこして、キャッきゃっと床を転がって遊んでいる。たこ焼きとか焼そば、おでん、フランクフルト、焼き鳥が机に並ぶ。晶くんおいでー、これ食べなと演劇部の女子大生に色々貰う。後輩の男の子が、先輩たちズルいっすよ、俺と扱い違い過ぎでしょ!? と話に入る。あ、アンタ、次デザート買ってきてと言われる。晶くんは、ちょっとイケメンじゃん、こっちおいでーと呼ばれる。晶、ニコッとして、女子大生がカワイー! と騒いでいる間に後輩男子と買い出しに行く。

午後から講堂で演劇が始まる。晶は席に座って、柚子と観ている。後輩が、晶くんに付いててあげて下さいと言ってくれた。元々、引退で出演は1、2年生がメイン。
ゲーム的なお話。お姫様が囚われて、救いに行く勇者。途中捕まるが、以前助けた少年からグミを貰う。食べたら、力を授かって。けれど、まだ力が足りない。客席のお友達のチカラが必要だ。客席に降りてきた勇者と少年に、晶と何人かの観客が舞台に連れて行かれる。柚子、パシャパシャ写真を撮る。

晶、ワケも分からず舞台に上がる。え? え?
勇者と5人の観客席から来た勇者達が剣を貰って、力を合わせて決めポーズをする。
勇者達は、魔王を闇に帰す。村には、平和が訪れる。

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佐々木 功です。え。ありがとう。晶ー!なんか挨拶だって。晶です。え? えっと。え。柚子です。お金は大事だよ〜♪お気持ちだけで。