波のカナタ 高2_2

高校二年生 晶 佐々木功
高校二年に進級して新しいクラスになる。颯斗達とは理系と文系クラス、私立、国公立コースにそれぞれ分かれた。晶は、一人で文理国公立クラスになる。

あー。全然友達とクラス離れちゃった。泣。やっと慣れてきたのに。もう寝よ!

「晶!」自席に座っていた晶は、顔を上げる。
あ。功きゅんだ。ん。そっか。これは夢だね。俺、寝てるはずだもん。ほっぺたを功に人差し指でつんつんとされる。
「ア、キ、ラってばー」ん? いや。リアルだな。ってリアル!!??
え。功きゅんに触られたー♡
晶は、ボーッとしてじっと功を見つめた。
功は、晶の反応薄いな、けどほっぺたプクプクしててカワイーと思っている。

サッカー部の友達が佐々木功に声を掛ける。
「さっさん。サッカー部の集まり行くぞ」
「あ。待ってー」佐々木功は教室を出ていった。

晶は、呆然とする。
えっ? えっ。功くん、どっから現れた? ん? ん。って一緒のクラス? マジで。まじで? え。どうしよう。オロオロ。え? どーする。付き合っちゃう? __じゃなくて。まずはお友達からでしょ。晶。あー、これ心臓大丈夫かな。俺。クールとか、もうムリなんだけど。寝てる場合じゃないっしょ。小田哲も彼女行ったし。これ何。チャンスなの? なんかわかんないけどありがとう~。友達になれるように頑張りますっ!!

先生。心配しないで、大丈夫。波の高校で攻略対象功くん唯一人だから。あと、どんなにアピっても、相手にされるわきゃないって。男だし、結ばれるとかない。どーせフラれるから、問題ナーシ!! 功くん、周りに言わないけど美少女といい感じみたいだし。こっちはいいの。恋人じゃなくても。一番とかムリって最初っから分かってる。だけど、となりにいさせて。何かわかんないけど、キミのトクベツになりたい。(もちろん付き合ったとしてもエロなし~。だから大丈夫) 本気出してこー。おーー!!

©️ 石川 直生 2020.

晶 功 2
休み時間になる。佐々木功は、サッカー部の友達らとワイワイと楽しそうにしている。晶は、自分の机に一人ぽつんと座っている。
あー。これが、スクールカーストってやつかよ。下の者が上の子たちに話しかけちゃいけないの? 憧れてもムダなの? 相手してくれない感じ?
あー、でもまぁいいや。相変わらずカワイイな。何話してんのかな。友達とじゃれてて可愛い。
俺もさー。仲間に入れてくんねえかな。
「ハーイ! 元気ー?」って外国人じゃあるまいし。
「ねえねえ。なんの話?」シーンとかなっちゃったらどうしよう。
フンふん。前のクラスのヤツがどこ行ったかとか、そんな話かー。入れねえな。前のクラスの話せる友達一人もいねえし。ガラでもないのに、またクールキャラから始めなきゃか。
かったりー。いいや。功くんの声、聞いてよ。お前あいも変わらず陽キャ(ラ)だな。あと、声もデカイよ。内容は特にないよう……。あ。すみません。なんか話し掛けることないかな。

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佐々木 功です。え。ありがとう。晶ー!なんか挨拶だって。晶です。え? えっと。え。柚子です。お金は大事だよ〜♪お気持ちだけで。