波のカナタ 高2_20 ウソ告

3学期 ウソ告 功 晶 16
佐々木功は、仲間内でボーリングに負けて公開告白をするハメになる。違うと言ってるのに、玲ちゃんに片思いなんでしょ、いい加減告れと何故か力付けられる。
功、諦めて告ることになる。玲をこんな事で呼び出そうものなら、何を言われるか分からない。仕方なく晶を放課後に呼び出す。
冗談てわかるよね。

夕日がキレイな渡り廊下。テスト期間で部活はない。
「アーキラ!」功が、ニコッとする。
「功くん」
「ちょっといーい?」
「ん」晶は、功に付いて行く。

佐々木功、晶に近付くと小声で囁く。
「断ってくれていいからね」ん。何が。
功が、大きな声で晶に告る。
「まあまあ好きです! 付き合って下さい!!」へ。
「……ハイ」晶が、俯いて功の手を取る。
功が、え。と小さく呟いた。

大笑いしながら、男子が5人現れる。晶は、え。となる。
「さっさん。お前最高! お似合い、お似合い! おめでとー!!」
「あー。笑った笑った。かーえろ」
行こいこ、と皆行ってしまった。二人だけが、取り残される。

なんだ。嘘の告白か。……そりゃそうだよね。
夢かと思った。
あーー! 嘘でも嬉しい!! ありがとーー!! 泣

佐々木功、ホッとして晶に笑い掛ける。
「助かったー。ホラ。女の子傷付けるワケにいかないでしょ」
「そうだよね。ぅん。分かってる」晶は、ションボリする。
功は、それをみる。え。__もしかして傷つけた? ……そっか。
佐々木功が晶の手を掴んだ。晶は、功の手を思わず振りほどいた。
晶 あ。しまった。手、触れられんの苦手で。
功 どうしよう。怒ってる?
二人 どうしよう、どうしたら。

功 そうだ。ここは笑って流してもらおう。
「皆に内緒で、ホントにつきあっちゃったりしてw」
__内緒で。付き合ってくれんの?
晶の瞳の奥がキランと光る。
言った! 確かに言った!!

 ©️ 石川 直生 2021.

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佐々木 功です。え。ありがとう。晶ー!なんか挨拶だって。晶です。え? えっと。え。柚子です。お金は大事だよ〜♪お気持ちだけで。