絵空事 -revelar-
「――やはり、今からでも村を出るべきだと思うんです。」
あるとき、葵は、銀翅と向かい合って話をしていました。
「それを為すには時が足りない。…そう言った筈だよ。」
銀翅は涼やかに笑って、答えました。
「…。」
瑠璃は、銀翅の傍ら、銀翅よりもわずかに後ろに座り、静かに耳を傾けておりました。
「あなたは独りじゃない筈です。」
「ほう――?」
聞いた銀翅は、苦笑ともつかぬ声色で笑うと、その先を促しました。
「なんの話かな?」
「あなたに味方してくれる人間は、あの家にも居るは