まちがいさがしを片方だけ見てまちがいを予想してみた

今日のおやつは「きこりの切株」。
仕事中、ひと息つきたくなって開封すると、

フタの裏にまちがいさがしがある。
さっそく２つの絵を見比べよう…として、思い直した。

見比べるまでもなくない？

お菓子のパッケージ、絵本、サイゼリヤのメニュー…今まで数多くの「まちがいさがし」を見てきた。
その経験をもとに、片方だけ見て予想すれば「どこがまちがってるか」当てられるのでは？

やってみよう。

まちがいさがしを集める

きこりの切株のまちがいさがしは買わないと見られないので、noteに掲載するのは避けておく。今回はフリー素材のまちがいさがしで検証しよう。
フリー素材サイト「イラストAC」で「まちがいさがし」と検索すると、多数のまちがいさがしがヒットする。フリーの神様、どうもありがとう。

さっそく素材をダウンロードしていくのだが、ここで問題発生。

ダウンロードするとき、どうしてもイラストを見ることになるので、予想する前にまちがいがわかってしまう。これでは検証できない。

そこで、ブラウザの表示倍率を最小にし、

画面からめっちゃ離れてダウンロードする。老眼ではない。

その後、うっかりイラスト全体を見ないように、画面をタオルで隠しながら加工するなどの工程を経て、まちがいさがしの片割れを作った。

今回は３問のまちがいさがしを用意し、まちがいの予想にチャレンジしていく。

第１問

では、最初のまちがいさがしから。片方だけのイラストはこれだ！

勝手につけた題名は「ネコ君のソロピクニック」。
一番上の文字が「いさがし」で切れていることからわかるように、元々の画像では左側にも似たような絵があるのだ。それと見比べるのが普通の遊び方である。
ここに予想を挟んでみよう。

見つけるべきまちがいは５コあるという。
予想にあたって、今まで出会ったまちがいさがしの傾向を思い出してみた。

まちがいは、イラスト全体に分散してることが多い。

たとえばこのように、５つのまちがいが全部木に集中している、なんてことは考えにくい。ネコ君も「なぜ僕を登場させたの？」と絵師を問い詰めたくなるだろう。

そこで、イラスト全体を５つのエリアに分割する。

各エリアにひとつずつまちがいがあると仮定して、予想を進めよう。

■一番下のエリア

まずはこのエリア。目立つのはお弁当箱である。
それにしても、イラストを見た時からずっと気になってたんだが…

ネコ君、お弁当箱がサンドイッチでいっぱいなのに、手にもサンドイッチ持ってるよね？
手に持ってる方はどうやって持ち運んだの？
家を出るときからずっとむき出しで持ってたの？「なんかおかしいな」って思わなかった？

だが、この違和感こそがヒントかもしれない。
もう片方の絵では、お弁当箱のサンドイッチが一個少ないのでは？

絵師はまちがいを仕込むことに気を取られ、お弁当キャパオーバー問題を見落としてしまったのではないだろうか。

なるほど、少しずつ解法が見えてきたぞ。イラストの違和感に注目しよう。

■二番目のエリア

次いでこのエリアだが、見た瞬間に直感した。

ネコ君の目が両方開いてる、というまちがい。
だってピクニック中、おもむろにウインクとかしないでしょ？何の練習なの？

■三番目のエリア

このエリアは物体が少ない。せいぜい草ぐらいである。
だがイラスト全体を見渡すと、草原の占めている面積はかなり多い。ひとつぐらいは草のまちがいがあってもいいだろう。

草の数が多い、と予想。
元絵では、太陽がてりってりなのに草の茂りが弱い気がする。大自然の底力に期待してみた。

■四番目のエリア

木と雲が並んでいるが、私が気になったのはチェリーである。

左右非対称なのがなんとなく落ち着かなかったので、葉っぱが一枚多いと予想した。なくしていた靴下の片方が見つかったときのような安心感だ。

■一番上のエリア

残るはこのエリア。
「太陽の光が少ない」かな？とも思ったが、せっかく快晴のピクニックが暗くなりそうなのでやめておく。

ここではリンゴの位置が高いと予想。
今まで「何かがある／ない」のまちがいがほとんどなので、ひとつぐらい位置のまちがいがあってもいいと考えたのだ。

■予想完了
さて、ここまで予想したまちがいをまとめて、元絵と並べてみよう。

エリアを分割したのが功を奏し、いい感じに散らばったまちがいさがしになった。

さて、予想ははたして当たっているんだろうか。
もう片方の絵で真のまちがいを確認しよう！これだ！

…えっと、どこが違うの？

この「まちがいさがし予想」の答え合わせをするには、オリジナルの絵を二つ見比べて違うところを探さねばならない。というかそれが「まちがいさがし」である。
ようやく本来の遊びが始まった。前フリVTRが異常に長いクイズ番組みたいだ。

というわけで、元々のフリー素材を並べて普通のまちがいさがしを始めよう。

※余裕のある方は一緒にまちがいさがしをやってもらいたいが、スマホだと画像が小さくて難しいかもしれない。この後にちゃんと答を載せるので「へー、そこが違うんだ」と眺めるだけでもいいよ。

…さあ、まちがいは見つかっただろうか？正解はこちら！

右側の「真のまちがい」を、私の予想と並べてみると…

おお！予想的中がある！
ひとつひとつ答え合わせをしていこう。

■的中！

なんと、目のまちがいは大当たり！
ウインクが「やったね！」のメッセージに見えてきた。やったよ！

■着眼点は良かった
大当たりではないものの、目の付け所は悪くなかったまちがいが２つある。

予想では「草が多い」と考えていたが、正解は「草のサイズが小さい」だった。
元絵を見てみると、ひとつだけ草がちょっと大きい。ここに注目すべきだったのか！

もうひとつはチェリー。「葉っぱが左右対称になってる」予想を裏切り、正解は「チェリーじゃなくてリンゴ」という堂々たるまちがいだった。
そうだよ、考えてみればこの木は何の木なんだ。リンゴとチェリーが一緒に実るなんてどんだけトリッキーな遺伝子操作だよ、と初見で突っ込むべきだったのか。

■大ハズレ
残り２つは、全然予想できなかったもの。

雲のある／なしのまちがい。
「だって、こんなに低い雲なんてありえないでしょ？」と絵師が語りかけてくるかのようだ。

もうひとつの大ハズレはネコ君のしっぽである。
確かにネコ動画なんかを見てると、しっぽって落ち着きなく動いてたりするよなぁ。もっと普段から観察してたら当てられたかもな。

全体的には、自然な「まちがい」が仕込まれている良い問題であった。こちらが難しく考えすぎたのかもしれない。「チェリーとリンゴが同居する」とか、わかりやすいヒントを見逃してしまったな。

ただ、どうしても腑に落ちないのが…

弁当箱のキャパに関してはノータッチだったこと。絵師さんこれでいいの？

ともあれ、わかったことは以下の通りだ。

・ひとつは的中したので、ゲームとしては成立している。
・絵を分割する方法は、完璧とはいかないが正解率を高める効果がある。
・まちがいを仕込んだ結果、片方の絵に違和感が生まれることが多い。
・絵師さんと心理戦をやってる気分になる。

要領とおもしろさがつかめてきた。経験を積めば予想の精度も上がっていくはずだ！

第２問

次の問題へとしゃれこもう。

先に断っておくと、ここからは季節もののイラストばかりになる。フリー素材として使われやすくするためだろうか。
今回はハロウィンをテーマとしたこのイラスト。まちがいは先ほどと同じく５コだ。

そしてお気づきかと思うが、イラストのタッチや「５コ見つけてね」の書き方からして、絵師は第１問と同一人物だろう。ならば、まちがいの傾向も似てくるはず。クセを読み取ってやるぜ。

さっそく四刀流を振るって、イラストを５分割する。

■一番上のエリア

今回は上から予想していく。ダントツに怪しいポイントがあるからだ。

左のクモの巣が欠けている。
ダメージジーンズのように大胆な穴、どう見ても不自然だ。絵師もスキを見せすぎじゃないか？

■二番目のエリア

クモもコウモリも、まちがいを埋め込もうと思えばいくらでもできそうである。
しかし、私がこのエリアで最も違和感を抱いたのは…

このハート。なんで空にハートが浮いてるの？コウモリが投げキッスでもしたんだろうか。

ここは、空に浮いていて不自然ではない「☆」だと予想した。

他のエリアも同様に進め、完成した予想まちがい図がこちら。

残り３つの予想は「おばけがウインクしている」「キャンディーが逆向き」「かぼちゃの目がこわい」である。
パッと見でわかるまちがいから、よく見ないとわからないものまで、バランスよく分散した問題だと自画自賛したくなる出来栄えだ。

では、オリジナルのまちがいさがしを見てみよう。５コ見つけてね！

…さあ、見つかったかな？正解はこちら！

そして、私の予想と並べて答え合わせ！

おおお！的中率が上がってる！違和感を覚えた箇所がいずれも正解した！
どんどん自分のカンが研ぎ澄まされていくようで身震いがする。麻雀が上達するときってこんな感じなんだろうか。

外れた部分にしても、位置的にはかなり惜しいところを突いているので、まちがい予想スキルは着実に磨かれていると言っていいだろう。免許皆伝も近いぞ！

第３問

さて、最後の問題はまちがいが７コとなっている。よりデラックスな予想をするわけだ。
クリスマスシーズンに使えそうなこのイラストがお題、なのだが…

…違和感が無い！

サンタを夢見てすやすや眠る女の子。そこへプレゼントを届けに来たサンタさん。どこからどう見ても平和の極みだ。
ツッコミどころが見当たらない…

せいぜい引っ掛かるのは「タンスの取っ手が上下で違う」ぐらいである。絶対使いにくいだろ。もう片方の絵では形が揃っているはず、というのは容易に想像できる。
だが、「上と下どっちに揃っているのか」は手がかりが無い。絵師から勝率50%のギャンブルを突きつけられてしまった。

唯一の違和感でさえこのありさま。強敵だ…

よし。一旦立ち止まって、第１問と第２問のまちがいを整理しよう。気分はボス直前のセーブポイントだ。

■まちがいを分類する
ここまでのまちがいを、大きく３つに分類してみた。

①有無のまちがい

第１問の雲のように、片方の絵にあるものがもう片方では無いパターン。

②形のまちがい

ネコ君のウインクのように、両方の絵にあるけど形がちがうパターン。

③サイズのまちがい

「草のサイズが違う」ように、両方の絵にあって形も同じ、だけどサイズがちがうパターン。

前２問のまちがいを有無・形・サイズに分類すると、こうなる。

どちらの問題にも３パターンが全て存在し、かつ形のまちがいがちょっと多めだ。

よって、第３問では有無のまちがいが２つ、形のまちがいが３つ、サイズのまちがいが２つと仮定する。
例によってイラストを分割したのち、この穴を埋めるように予想していこう。

さあ、装備は整った。いよいよ決戦だ！

■真ん中のエリア

パッと見は自然な絵だが、それでも細かく見ていくと気になることはある。
例えばこのエリアだと…

サンタさんの袋、小さすぎない？
置いているプレゼントの大きさからして、あと2個ぐらいしか入ってないのでは？
世界中の子どもたちが待っているというのに、何回ピストン輸送するつもりだろうか。

サンタとトナカイの負担を少しでも減らすべく、袋が大きいと予想した。

そして今、サイズのまちがいが一個埋まったことになる。バイトのシフト表を埋める店長のマインドで進めていこう。

■上から三段目のエリア
次に、タンスの取っ手が上下で違う現象だが、

先ほど、このエリアには「袋のサイズまちがい」があると予想した。
と、いうことは…

まちがっているのは上の取っ手だ！
小さな手がかりを起点に次々と答を出していく。まるでピクロスを解いてるみたいだ。

■一番下のエリア

ここではハートに注目した。
おそらく、女の子が抱くサンタさんへのLOVEを表現したのだろう。

だとすると、ちょっとLOVEが大きすぎだと思う。サンタさんも荷が重いじゃないか。「トイザらスで買える程度のプレゼントでいいのかな」などと不安になりそうだ。

LOVEの大きさはこれぐらいにしておきなさい。サンタさんは君だけのものじゃないんだから。

■下から３段目

7つもあるからどんどんいくぞ。次はフキダシのサンタさんだ。

第２問で「おばけのウインク」を外してしまったので、リベンジすべくサンタさんのウインクを期待しよう。

ここまで４つのまちがいを予想し、分類はこのように埋まった。

まだ「有無のまちがい」がひとつもないな。

■下から二段目のエリア

そういえば、女の子のことを全然気にしていなかったが、彼女にもまちがいがあってよさそうである。「彼女に間違いがある」って別の意味に捉えられそうで怖いな。

まあ、前髪が違うのが一番自然だろう。寝ぐせのひとつやふたつつくと思うし。

さて、残りは２つとも有無のまちがいとなる。

■一番上のエリア

このエリアに有無のまちがいがあるとすると…

クリスマスツリーに飾りがついてる、とかかな？
いや、飾りが一切無いかけそばのようなツリー、ひとつやふたつの装飾がぶらさがったところで余計貧相に見えてしまう。

それならいっそ、てっぺんの星が無いと考えよう。
クリスマスツリーではなく、元々そこにあった観葉植物だと思えば、むしろこちらの方が納得がいく。

■上から二番目のエリア

残るはここで、有無のまちがいを特定せねばならない。
あらゆる可能性を考え、出た結論は…

サンタさんの眉毛が無い。

いや、しょうがないじゃん！なんかかわいそうな気もするけど！
他に「無くなってもおかしくないもの」なんて無いでしょ？まさかサンタの目や鼻をそぎ落とせと？

■予想完了
紆余曲折を経て、ようやく予想が完了した。

分類も全部埋め切った。ここまでやって当たらなかったら、私は何を信じればいいんだろうか。

それでは、真のまちがいイラストを発表しよう！７コ見つけてね！

お楽しみいただけただろうか。正解はこちら！

こ、これはどうだ？ひとつでも的中してるか…？
緊張の答え合わせターン！

うわあああ！的中ゼロ！
全部ちょっとずつズレてる！惜しい！

■そっちかよ！

最初に目をつけたタンスの取っ手は、予想をピッタリ裏切って「どっちも丸」が正解。
2分の1の賭けに敗れてしまった。爆弾処理だったら死人が出ているところだ。

また、消えたのはツリーの星ではなく、流れ星の方だった。
無意識で「流れ星をずっと見ていたい」と、ロマンティックな願望を抱いていたのかもしれない。

他にも「サンタさんのヒゲのボリューム」や…

「女の子のまつげ」など、なぜか毛にまつわるまちがいで予想をかわされてしまった。こんなに綿密な理論を組み立てたのに。

正解のまちがいを分類したところ、有無のまちがいが２、形のまちがいが４、サイズのまちがいが１だった。
「３パターン揃っていて、形のまちがいが多め」の法則にしっかり従っている。私もこれを前提に予想した。それで的中ゼロである。

思わず「な…ナゼだ！？ボクの計算は完璧だったハズなのに！」と、昔の漫画にいそうなメガネキャラのセリフを吐いてしまった。
まちがい予想道の奥は深い…

２人で予想してみた

おもしろさを知った私は、別のイラストで友人と一緒にまちがいさがし予想をやってみた。

友人である。好物はとうもろこしである。

お正月にプレイしたので、時節を感じさせるこちらのイラストで挑戦した。
各自が予想できるように印刷し、ペンを２本用意。

友人は最初「えー？そんなの予想するって無理じゃない？」と言っていたが、いざ始まると思いのほかスムーズに印をつけ始める。

左が友人、右が私の予想をマーキングしたもの。
絵が細かすぎるので詳細は割愛するが、結果だけ言うと…

友人の方が的中率が高かった。なんでだよ！初挑戦なのに！
もしかして「練習」とか「上達」なんて概念が存在しないゲームなのかもしれない。じゃんけんかよ。

おわりに

予想を終えて。
このゲーム、楽しい。友人も「楽しかった！」とのこと。

本来二つを見比べるまちがいさがしを、片方だけ見て予想する。
初めて聞いたら荒唐無稽だと思うだろうが、やってみると「なんかわかる」のだ。
「ウインク」や「ひとつだけ違う果物」を見たとき、思いもよらない既視感がわき上がる。「こういうの見たことあるぞ」が自然と浮かぶおかしさがたまらない。

そしてこのゲーム、もうひとつ大事なのは、予想した後で本来のまちがいさがしもちゃんとやるという点。
絵師さんの意図を尊重しつつ、さらに工夫を加えることで、未知の楽しさを体感できた。

皆さんも、新聞や雑誌などでまちがいさがしを見かけたら、かぶりつく前に片方を隠して予想してみてはどうだろうか。
変なところを探すもよし、「自分がまちがいさがしを作るとしたら…」と作り手の身になってみるもよし。
予想が的中したときの、絵師とリモートで心が通じたような快感を味わってほしい。

では、きこりの切株も食べ終わったので、仕事に戻ろう。
最後までお読み頂き、ありがとうございました！

画像のダウンロード元（すべてイラストAC）
第１問
第２問
第３問
２人で予想した問題

楽しいまちがいさがしを作ってくださった絵師様、協力してくれた友人に感謝します。