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席とテーブルと客数と

【席の話】

1 ROOM COFFEEの席はテーブル席が5つ。壁にテーブルを付け、壁に向かって座る一人がけの席が3つ。テーブル席を2名がけとカウントした場合は計13席となります。2名がけテーブル席の両端も壁からかなり余裕を持って配置しています。
旧店舗でも同じような配置をしておりました。旧店舗でも入れようと思えば、あと2つはテーブルが入りました。新店舗においては、あと10席以上でも簡単に作れるスペースありましたが、あえてこの程度に抑えて設計してあります。

「もっとたくさん席作れるよね?」と、多くの方に聞かれます。あるいは「もっとたくさん席作って、お客さんたくさん入れれば良いのに。」と、アドバイスをされることもあります。

スペースに余裕があるにも関わらず、なぜ席を増やさないのか。

それは、これ以上席があっても自分のオペレーションスピードが追いつかないからです。「着席する」ことは可能ですが、オーダーから提供時間まで、ある程度適正な所要時間でと思うと、これ以上は増やせません。ご来店が集中した場合、オーダー自体に時間がかかる、そして調理の手数の多い組み合わせのオーダーが何組も重なった場合は調理所要時間も長くなるので、よりお待たせしてしまいますし、この状況に限って退店と来店が重なる「飲食店あるある」にハマり、バッシング(お客様が帰った席の片付け・リセットをすること)も追いつきません。泣

一人で営業している前提ですが、席があれば単純にお客様の数が増えるかというと、そう簡単には行かないのです。画像を見て頂けると分かりますが、テーブル間隔にも余裕を持たせ、2名がけテーブルとは言いつつも、3名様であればベンチシートにお二人が座って頂き、椅子にお一人。テーブル1つを3名様で使って頂いても、お隣と窮屈な感じにならないようにしています。自分がやれる範囲で、客席もゆったり座って頂いた方が満足度も高いのではと思っています。たとえウェイティングで待って頂いたとしても、着席してからはオーダー・商品提供の1セットの時間をコンパクトにできるようにと考えています。

こういう設計をしていても、オープン直後で空っぽの店が一瞬で埋まったり、何組か同じようなタイミングでお帰りになった直後に、何組か同時にご来店という「あるある」にハマれるば、お待たせしてしまうことに(申し訳ないです…泣)。席があればあるほど、どこかの席が回転(お客様が帰った席に、また別のお客様が着席すること)する確率が高くなるので、スムーズなオペレーションを考えると、あと1つ席を増やすだけでもかなりリスキーなのです。※あくまでも1 ROOM COFFEEの場合。

また余談ですが、当店は1組3名様までのご来店をお願いしております。できる限り同じ席の方には同じタイミング商品を提供しようと思っておりますが、4名様以上になって来るとそれが物理的に難しく、ベストパフォーマンスから遠くかけ離れてしまうこと、そしてそこで時間を取られすぎ、それ以降のオーダーに影響してしまうことを防ごうと思っているからです。個々のお客様には、しっかり対応したいと思っているのはもちろんですが、同時にお店の全体最適が、無意識な部分で満足度につながるんじゃないかなと思っています。

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【テーブルの話】

当店のテーブルはお隣の駅・大山が最寄り駅のオーダー家具屋さん(AS.CRAFTさん)に作って頂いています。これは天板サイズが50cm×60cm。既製品のテーブルでもよくあるサイズだとは思うのですが、天板のサイズは、使う食器類のサイズ、オーダー内容を想定した上で、どういう並べ方になるかも考えて作りました。

これがもっと食事のお皿が一度にたくさん並ぶような業態、メニュー構成であれば天板がもっと大きい方が望ましいです。テーブルサイズが小さければ、オーダーしたものが乗り切らなかったり、無意識の内にお客様がオーダーを制限するというチャンスロスに繋がります。

もう1つ。席をたくさん作ろうとすればテーブルの天板サイズを小さくする(例えば40cm×50cmとか)と多く配置できます。オフィス街立地で回転も早く、ドリンクメインのお店であれば良いと思います。が!!

先日、東京駅でちょっと座って休憩しようと思い入ったお店。
テーブルサイズが40cm×45cmぐらいでした。私と妻で、ドリンク2杯とサラダのプレートを1枚オーダーしたのですが、それだけでギリギリでした。それはそれで良いのですが、お隣はサラリーマン風の方がドリンク1杯とパン、そしてPC作業で2テーブル使用、その隣はちょっと大きめな体の男性2人がドリンクだけで2テーブル使用、あちらではおば様2人がドリンクだけで2テーブル使用(東京駅だけに荷物多めだから!?)。この3組5名で6テーブルを使用していました。テーブル数は多いお店なのに、それ以外にも効率が悪い席がたくさんあり見た目は満席に近い状態が続いていました。

これであればテーブルを大きくして、1組に1テーブルをしっかり使ってもらえれば、テーブルを2つ減らして4つにしても4組入れられることができる上に、窮屈さも解消されます。このお店は既存のテーブルはサンクコストになってしまいますが、テーブル数は減っても、天板サイズを大きくしたものを設置し直すか、もしくはドーンと大きいテーブルを置いてその周りに椅子で囲むような席を作った方が、席効率、そして売上も上がるのではないかと思いました。東京駅という立地を考慮すると、ゆっくりくつろぎたいというよりは、一時的に休憩したいとか、隙間時間にお腹を満たしたい方が多数だと思うので、テーブルを増やすのではなく、稼働している席の確率を上げて行けば、「メニューで魅力を!」とか難しいことはしなくてもお客様が増えると思います。

今後開業される方は、自分がやりたい業態、メニュー構成、もちろん店舗サイズの条件を上手く席・テーブルの置き方を考えてみてはどうかと思います。例えば、アンティークで不揃いのテーブルや椅子を置きたいとか、それ以外にもコンセプトだとか、色々こだわりたい部分があると思うので、あくまでも席とテーブルに対する数字的な考え方の1つということで頭の片隅に入れておくといいかもという話でした。


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大吉!!
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1 ROOM COFFEE 店主。2013年に東京都板橋区に1 ROOM COFFEE開業。2018年ROOMS JAPAN合同会社を設立。2019年1 ROOM COFFEE 移転再オープンしました。

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