#7 変身願望
アイウエアは変身願望を満たしてくれる
そう感じたのは大学1年の夏ごろでした。
元々内気だった私、人の目を見て話せなかった。特に女性と話すと顔が赤くなっていた。
何気なく見ていたTVで木村拓哉さんが「人の目を見て話さないと相手を本当に理解はできない」と言うような内容を話していた。
ロンバケにハマっていた自分は崇拝まではいかないが木村さんに影響を受けていたので、
自分を変えてみよう!と思い立った。
それでも相手と目が合うと緊張するので手始めに伊達眼鏡をかけてみた。
千円の赤い伊達メガネ。
「これなら目より眼鏡を見られるので微妙に視線がズレる!」
「赤くなった顔が目立たないかも?」
と敢えて派手な色をかけた。
当時ダウンタウンの松本人志さん扮する「Mr.BATER ミスター・ベーター」が好きだったのも理由だった。
良くも悪くもテレビの影響を多大に受けていたあの頃。
「見られる事、目が会う事から」
逃げたのではなく、メガネに守られながらも自分を成長させようと頑張ってみたのでした。
よく聞くのが、コンタクトが合わず長く眼鏡だけをかけるメガネユーザーは「メガネを外すと裸になるみたいで恥ずかしい」とおっしゃいます。(実際、メガネを外した際の表現として「裸眼」といいますしね)
裸で街を歩けばそりゃあ恥ずかしいですよね。
眼鏡を身につけることは「服を着るようなもの」なのです。
今振り返っても「伊達メガネをかける事で視線をはずす」着眼点はエポックメイキングだったと思います。
目は悪くないのにメガネを掛け出した私は遅めの青春を駆け出しました。
内気で恥ずかしがり屋だった性格を荒療治するため夜のクラブに出かけてナンパしては撃沈。それはそのはず相手からすれば赤い眼鏡をかけた男がシドロモドロに額に汗をかいて話してくるのだから、たまったもんじゃない。
それでも赤い眼鏡に一歩踏み出す勇気を貰った私は少しずつ変身願望を満たしてはいましたが、友達の一言「その赤い眼鏡ダサいよ」でMr.BATERを卒業することにしました。
その後千円メガネから脱却し、いきなり2万8千円のメガネへジャンプアップ!
正直に「赤い眼鏡ダサい」と忠告してくれたオシャレな友達に頼んで最先端な眼鏡のセレクトショップへ連れて行ってもらった。
日雇いバイトで稼いだお金を携えて鼻息荒く乗り込んだのは、当時名古屋で知らない人はいないくらい有名なアイウェアセレクトショップ。海外から買い付けた色鮮やかなアイウェアが並び、松雪泰子さんのようなシュッとして綺麗な店員さんが接客してくれたのを今でも覚えている。
言われるがままに選んだのはフランスの「Face a Face ファース ア ファース」深い緑が縁取られた翡翠のように綺麗な薄緑色で、今から考えると上下幅が細いフレームでしたが、当時は眼鏡は細く、サングラスはスポーツタイプのカーブが深い物が主流でした。
「伊達メガネ用にカラーレンズ無料」
日頃オシャレ友達は薄い色のレンズが入った伊達メガネを掛けていたので、それに倣えと色眼鏡に挑戦。緑のフレームに薄い緑のレンズをチョイスしその日のうちに掛けて帰りました。18,19歳の自分には2万8千円の買い物は初めてで満足感と期待値は巨大でした。
赤から緑へ、変身願望を満たすレースはレッドからグリーンへとスタートを切ったのでした。
その後、クラブでナンパに成功したのは場慣れしたからか高価でオシャレな色眼鏡をかけたからだったのか?
でもモジモジくんだった自分が積極的に声をかけるように変身できたのは「あの赤いメガネのおかげ」だったのだと思う。
高い眼鏡を掛けたことで不思議と自信が沸いてくるなんて疑わしい話かもしれません。
でもアイウェアの魅力は「変身願望」と話す理由は掛けた人にはわかるのではないでしょうか?
メガネやサングラスは気持ちを切り替えたり、本当の自分を守ってくれるような存在だと思います。
もちろん、良い眼鏡に出会えていない人や良い眼鏡屋さんに出会えていない人は、「子供の頃から目が悪くて眼鏡が嫌いでした。」、「眼鏡外した方が可愛いのにと言われた。」と眼鏡をネガティブに捉えてしまうと思います。
90年代後半からおしゃれアイテムになり始めた眼鏡によって内気で人見知りだった性格を変えられたのは
自分はあの時の選択をしたから、、かな?
でも「アイウェア」はその後も自分の人生に大きな影響を与えてくれました。
就職氷河期真っ只中でお先真っ暗なほど落とされた果てに一筋の光明に照らされ辿り着いたのは、なんと眼鏡屋。
モテたいために掛けていた眼鏡をまさか自分が販売するとは思っていませんでしたが、思い返せば必然だったのだろうと感じます。
もちろん、10年以上も前の話なのでところどころ眼鏡に寄せて書いている部分もありますがそこはご愛嬌として優しい目でみてやってください。
でも少しでも多くの人にメガネやサングラスの魅力を知ってもらいたく、「アイウェアでポジティブに!」、「アイウェアで人を幸せにしたい!」と考えるようになったのは紛れもない事実です。
以上がアイウェアには変身願望の魅力が詰まっているお話しでした。