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「10秒チャージ、2時間キープ、ルン?」

「す、すごいルン!こんなに効率的な食べ物が地球にあるなんて知らなかったルン!」
「あ、あはは…食べすぎには注意だよ、ララ」
そう言いながらひかるは自分の家へ帰っていった。ロケットにはララと【ウィダーinゼリー マスカット味】のゴミだけが残されていた。

事の発端は、ロケットの全機能故障であった。
「これじゃプルンスタードーナツも作れないでプルンスよ」
「困ったルン。AI、修理にはどのくらいかかるルン?」
『10日ほどかかる見込みです、ララ様』
「オヨ~…仕方ないルン、やるしかないルン」
「でもララ、コスモグミはどうするでプルンスか?」

ララの宇宙食【コスモグミ】の原料はロケットで作成していた。そのため、ロケットが機能停止してしまった今、10日間食事の危機に陥ってしまったのだ。

(ひかるやみんなのお世話になるのも迷惑ルン。ララはもう大人ルン)
「みんなは今まで通り学校に通うルン、ララ一人で治すルン」
すると、ひかるがドタバタと動き出した。
「それなら、ちょうどいま家にキラやば~っ!ないいものがあるんだ!ちょっとまってて!」

「これで安心して作業できるルン!ひかる、ありがとうルン!」
「この前商店街で【ウィダーinゼリー マスカット味】が一箱当たっちゃったんだけど、余らせちゃってたんだ。全部あげる!」
「一つ飲んでみたけど、すっごいおいしいルン!そのうえ、健康にもいいなんて効率的ルン!」
「それじゃあプルンスは修理の材料を外に取ってくるでプルンス!」


それから、ロケットを修理する日々が始まった。
「おなかが空いたルン」
ララにとって食事とは、ただコスモグミを口に入れるだけの作業であった。だが、今日は違う。
「【ウィダーinゼリー マスカット味】、とってもおいしいルン!何本でもいけちゃうルン!」
ゴクゴク、と勢いよく飲み干していく。

「3本も飲んじゃったルン。今日はこれくらいにして、引き続き修理するルン!」
(なんだか、いつもより調子がいいルン!液状デキストリン、果糖ぶどう糖液、それにたくさんのビタミンが含まれているから、身体にいいルン!)
ゴクゴク…。


5日後。
「ララ、宇宙船の修理はどう…って、なにこれ~!?」
ロケットのドアを開けたひかるが大声で叫び声をあげる。
「ひかる、うるさいルン。今、修理の最中ルン」
「そ、それはわかってるけど、これは…」
ひかるの目に飛び込んできたのは、ロケットを治すララと、そのララを取り囲む大量の【ウィダーinゼリー】のゴミの山であった。

「ひかるも飲みたいルンか?しょうがないルン、最近のおすすめはこの【ウィダーinゼリー ラムネ味】ルン。あげるルン」
「ありがとう、いただきます…じゃなくて、ララ!100本以上あるよね、このゴミ!」
「当然ルン。毎食7本は【ウィダーinゼリー】を飲んでるルン」
「キラやば~っ!おかしくなっちゃうよララ!」
「大丈夫ルン」

「エネルギー補充の【マスカット味】だけじゃなく、栄養面も考慮してマルチビタミンの【パイナップル味】、ミネラルの【グレープ味】、それに修理で身体も使うから、プロテインの【ヨーグルト味】も摂ってるルン!」
「で、でも」
「【ウィダーinゼリー】はとってもおいしいルン!効率的ルン」

「…ほ、ほどほどにね~」
(本人がおいしいって言ってるなら、いいのかなぁ…)


8日後。
「あとちょっとで修理が終わるルン。効率的に進められたルン」
ロケットの修理は、おおむねAIの計画通りに進行していた。
「調子がいいから、今日は【ウィダーinゼリー ローヤルゼリーゴールド】を飲んじゃうルン」
いろんな味があってあきないルン、やっぱり【ウィダーinゼリー】はすごいルン。
何本でもいけるルン!
ゴクゴク…。

ん、ちょっと喉につっかかるルン…。


10日後。
「ひかる、大変でプルンス!ララが、ララが!」
自室で寝ていたひかるのもとに、大騒ぎでプルンスがやってきた。
「プルンス、どうしたの朝から?」
「ララが、ララがおかしくなっちゃったでプルンス!」


「今日は、待ちに待った【ゆずレモン味】をいただくルン…」

「の、喉を通らないルン。口の中にゼリーの触感が広がると、急に気持ち悪くなっちゃうルン。お、おえ~」
「ララ、大丈夫!?」
「ひ、ひかる、ゼリーが喉を通らないルン」
「こんなにおいしいのに、飲み込めないルン」

「ララ、もう修理は終わってるよね!とりあえずドーナツ食べよう!」
幸いにして、ロケットの修理は完了しておりプルンスタードーナツの作成が可能となっていた。

「おいしいルン…固形物おいしいルン…」
「も~、だから食べすぎはダメって言ったでしょララ!」
「しばらくゼリーはなしルン…」
「そうでプルンス!食べるにしてもプルンスの作ったドーナツのほうがおいしいでプルンスよ!」
「ぷ、プルンスをみてるとゼリーを思い出して、おえ~」
「失礼でプルンス!」

「オヨ~、もう【ウィダーinゼリー】はこりごりルン…」


数日後
「ひかる、【カロリーメイト】って知ってるルン?」
「この流れもういいから!」



追記:筆者が以前ウィダーinゼリーしか食べない時期に拒絶反応が起きたことをララちゃんに演じてもらいました。
ちなみに今は、カロリーメイトのチョコとチーズ味、あとベースブレッドという完全栄養食を箱買いしてます。


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