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20180428社説から見る現代日本

おはようございます。全紙で4月27日の南北首脳会談を踏まえた社説が展開されています。

発表された共同宣言では、非核化に向けた具体的な方策が見えてきていません。今後開催が予定されている米朝首脳会談に焦点が移りました。

日本の拉致問題への言及は今のところなく、日本が蚊帳の外に置かれかねない現状を憂慮しています

以下、各紙社説からの引用です。

日経:「北朝鮮が南北融和にまい進する背景には、韓国を突破口に国際的な制裁圧力を緩和する思惑があるとみられる。金委員長は先の中国訪問の際に、非核化の条件として「段階的で同時的な措置」を挙げたという。みせかけの「非核化」に向けた行動を小出しに掲げ、その度に経済支援などの見返りを求める恐れは十分あり得る。日米韓は引き続き北朝鮮への制裁圧力を維持しつつ、米朝首脳会談への準備を進めていくべきだ。」

読売:「核兵器を温存したまま、対話攻勢で制裁圧力を弱めようとしているのは間違いない。段階的な廃棄で、制裁緩和や体制保証などの見返りを得ることも狙っているのではないか。国際社会は警戒を続けねばなるまい。(略)核兵器の解体や核物質の国外搬出、国際原子力機関(IAEA)による徹底した査察が行われる前に対価を与えるべきではない。」

産経:「核・ミサイルの挑発を繰り返していた北朝鮮がなぜ、微笑(ほほえ)み外交に転じたのか。それは文氏の言う「金氏の英断」などではない。金氏はそうせざるを得なかったにすぎない。国連安保理決議をはじめとする国際社会の制裁が効いている。北朝鮮は、制裁緩和や援助といった見返りを期待しているはずだ。これまで何度もうそをついてきた北朝鮮が相手の交渉には、慎重さが何より大切だ。金氏の言動に過大な期待を抱いては危うい。」

毎日:「宣言では、朝鮮戦争の終戦宣言を年内に行うと明記された。中でも平和協定への転換に向け「南北と米の3者ないし南北米中の4者会談の開催を積極的に推進する」との合意は目を引く。(略)休戦状態が完全な終戦に向かえば、日本をはじめとする北東アジアの安定化に大きく寄与する。年内と区切ったのは、北朝鮮の非核化を同時に進める狙いがあるのだろう。そうであればこそ、日本やロシアも加わる枠組みが必要だ。北朝鮮の核問題は、朝鮮戦争終結のレベルにとどまらず、この地域の安全保障環境に重大な影響を与えている。韓国政府は、地域の平和構築に向けた協議の重要性を改めて検討すべきだ。」

朝日:「国際社会が求める「完全で検証可能かつ不可逆的な核廃棄」の一部である「完全な非核化」に言及したのは前進だが、具体的な行動への言及はない。北朝鮮がかねて主張する、在韓米軍を含めた朝鮮半島全体の非核化も盛り込まれていることから、北朝鮮が譲歩を示したと受け止めることはできない。もともと今回は、6月はじめまでに予定される史上初の米朝首脳会談に向けた予備協議の色合いがあった。核問題については、米朝間の交渉に焦点が移ったとみるべきだろう。」

<社説一覧>
日経:板門店宣言を北の完全非核化につなげよ/カジノの懸念に応える審議を
http://www.nikkei.com/news/editorial/

読売:南北首脳会談 非核化の道筋はまだ見えない
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/

産経:南北首脳会談 微笑みより真の非核化を 米朝会談に向け圧力継続せよ
http://www.sankei.com/column/newslist/editorial-n1.html

毎日:11年ぶりの南北首脳会談 非核化への流れ止めるな
https://mainichi.jp/editorial/

朝日:南北首脳会談 平和の定着につなげたい
http://www.asahi.com/news/editorial.html

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