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テレワーク時代

 コロナ感染を抑えるため社会全体をあげてのテレワークが推奨されている。それはいいが、なにか見落としてはいないか。いや、おそらくみんなもう気づいている。ただ言いにくいだけだ。ならばわたしが言うしかない。それはとても大きな声だ。

 尿意。

 気持ちが走りすぎてただ「尿意」とだけ書いてしまったが、あるていど伝わったと思う。つまり「テレワーク中の尿意問題」である。

 それはテレワーク導入の議論において軽視されていただろう。むしろテレワークになれば自然に解消されると思われていたかもしれない。要は「自宅なんだから、トイレくらいいつでも行けるっしょ」という理論である。

 甘い。あまりに想像が足りない。ひとり暮らしならいい。これが家族や同居人がいたらどうだ。

 昼、ふと尿意を感じてトイレに行く。がちり。扉に鍵がかかっている。なぜだ。なぜ鍵が。中に誰かいるのか。

 家族である。

 古来より、人間は数々の苦難を乗り越えていまを生きている。飢饉、病、戦争。それらは基本的に個人で太刀打ちできるものではない。尿意も同じくそうだ。まして家族や同居人が敵になる可能性すらある。事態はさらに深刻な局面を迎える。

 誰もが家族が鍵を開けてトイレから出てくるのを笑顔で待っていたい。しかしいま、それができていないのはあきらかだ。

 わたしはただ、尿意保証がほしい。

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