見出し画像

ラブラブドッキュンフォーエバー

人でもものでも、何かを愛し続けることはとても難しく、体力がいることだと思う。

23歳あたりから、僕は毎朝起きるたびに、あぁ、役者辞めたいなぁと思っていた。
あまりにも不安定な生活に、将来に絶望していた。
そして、毎日辞めたいと思うのとは別に、今度こそ本当に辞めたいと大きく思う時期があった。
でもその度に、やっぱり役者辞めらんねぇなって思う出来事があり、結局やめられずにいた。

去年の今頃、僕は舞台に立つことすら嫌で、稽古の前日は毎日家で泣き喚いていた。
いま思うと、何が原因かはさっぱりわからないけど。とにかく情緒が不安定だった。

そして、どうしようも無く落ち込んでいる時期に曲を一曲書いた。
劇団の企画で書いた曲だけど、正直、企画の意図なんてそっちのけで、思いの丈を書き殴った。

完成した曲はそこそこ好評で、色んな人から、色んなことを言われた。その一つ一つ、どれも嬉しかったけど、その中に忘れられない一言があった。

それは、劇団の後輩の言葉だった。

今すごく辛いけど、この曲を聴いているとなんだか背中を押される…的な内容だったと思う。

※改めて当時のツイートを見て見るとそんな意味ではなかったのかもしれないと思った。

でも、当時は彼のこの言葉に僕自身めちゃくちゃ救われた。
涙が止まらなかった。

そして、今までの鬱鬱とした気持ちが、嘘のように消えて、自分が歌ったり、演じたりできることに感謝できるようになった。

何かを、ずっとずっと、変わらずに愛し続けれる人は、とてもかっこいいし、強いと思う。でも、残念ながら僕は強くもかっこよくもないから、これからも、誰かの力を借りて、演じること、歌うことを愛し続けるのだろう。

と言うのが、先週終わった舞台のパンフレットに記載した言葉だ。
そして、舞台が終わり、少し冷静になった頃、舞台を観に来てくれていた先輩にこんな言葉を言われた。

賛辞も批判も、それによって自分を見失わないように、材料として受け止めてれたらいい、と言う言葉だった。なんだかはっとさせられた。

僕は役者仲間の一人に、とても素敵だなぁと思う人がいる。彼を見ているとあぁ、本当に演劇が好きだというのが伝わってきてワクワクする。そしてふと我に返って、自分がやりたいことはなんなのか、を考えさせられる。

思い返すと僕は本当にやりたいことより、誰かに褒められたこと、向いていると言われたこと、を優先的にやろうとしてきた。僕の作った曲が好きだと言われたから曲をたくさん作った。エッセイ書いたら、素敵な文だね、脚本書いてみたら、と言われたから脚本を書いた。

僕が本当にやりたいことはなんなのか…

ゆっくり探して行こう…

2022.3.20 追記

映画を見に行った、先輩の進めで、自分では絶対見ないような内容の映画だった。
ただただ役者の芝居が上手かった。
たったそれだけのことなのに、心がウキウキした。

やっぱり、芝居が好きなんだ。

この記事が参加している募集

#振り返りnote

85,214件

#業界あるある

8,630件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?