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65歳の生活費と資産運用

退職の決断

 56歳と1か月間働いた会社を退職しました。2014年春のことです。工業高校を卒業して18歳で就職。38年間の会社勤めでした。
 給料や福利厚生には不満はありませんでした。機械の設計をする仕事には、とてもやりがいがありました。管理職に昇進する前までのことです。管理職になってからは、機械ではなく人間を相手にしなければなりません。人間は機械のように思い通りに動いてくれません。人に指示・命令をすることは、向いてなかったのでしょう。いつもイライラしているような状態だったと思います。
 ちょうどそのころ、会社の経営状態が悪くなり、希望退職の募集がありました。退職金が上乗せされるので、良いチャンスだと感じました。
 会社の同僚からは、「退職したらすぐにすることがなくなり、時間を持て余すようになる」「生活費はどうするのか」「65歳まで雇ってもらえるのにもったいない」「この会社に不満があるのか」など、様々な意見をもらいました。
 仕事を辞めると、すぐに問題になるのが「生活費」です。生活の糧を得るために仕事をする人がほとんどだと思います。仕事をしなくても食べていければ、かなりの人は仕事をしないでしょう。
毎日何をして過ごすのかということも、問題かもしれません。

退職後の生活費の検討

 仕事を辞めるためには、生活費をどこから捻出するかが一番の問題になります。収入が全くありませんので、退職金と貯蓄の取り崩しで対応するしかありません。
 つけていた家計簿から、夫婦二人だけの生活で、毎月25万円としました。一年間で300万円ほど必要です。何とかなるということでは困るので、退職時から85歳程度までのシミュレーションを考えました。
 退職後の1年間は、失業給付金がありますので、問題ありません。とりあえず、年金がもらえるまでは貯蓄を取り崩すので、それまでの生活費がいくら必要か計算しました。
 妻の要望で、仕事を辞めたからといって、生活レベルは落とさないとしていました。
 生活費に加え旅行費用として、年間50~100万円ほど計上しました。100万円の旅行費は多い気もしますが、毎月の生活費が余れば旅行費用に回します。毎年、旅行費用で100万円を使うと当然、家計が破たんしますので、別枠で管理することにしました。
 1年間に必要なお金は、350~400万円としました。
 貯金と退職一時金(割り増し分)で、5年間生活します。退職金は、節税のため全額確定給付企業年金にしました。
60歳から、確定拠出年金が5年間、確定給付企業年金が80歳までの20年間もらえます。63歳からは厚生年金、65歳からは厚生老齢年金がもらえます。4歳下の妻も厚生年金がありますので、何とか生活できる目途が立ちました。

2023年の生活費

 無職の自由人になって、2023年で9年目になります。資産運用は、60歳になって始めました。年金をもらうようになり、当初考えていた生活費より多く支出するようになっています。毎年、数回の海外旅行にもいくようになりました。
 なお、子どもはすでに独立しています。また、資産は残さず使い切ることにしています。

資産を運用する

 シミュレーションの計算上では、生活レベルを下げることなく生活が可能です。それでも常に不安があります。
 確定拠出年金と確定給付企業年金は、あらかじめ自分が積み立てていたお金を老後にもらうだけですので、受け取る金額は決まっています。気になるのは、厚生老齢年金です。毎年変動するので、不安でしようがありません。
銀行預金は、ほとんど利子がつかないので、物価が上がると実質目減りになります。
 貯蓄を取り崩して旅行しており、貯金はどんどん減っていくので、ついに資産運用をすることにしました。2018年の秋で、60歳になってからです。

 上の表は、現在の投資状況です。債権を含め、全資産の50%を目標に株式投資をしています。2023年の11月に株価が大きく上昇し、含み益が増えたため、現在は株式投資が57%の比率になっています。
 資産運用の話を聞きに証券会社に行くと、必ず運用するなら今がチャンスといわれます。一番いい時期ですといわれます。チャンスなのは証券会社のほうで、お客のほうではありません。証券会社は、資産運用の手数料で儲けている会社です。客が損しようが儲けようが関係ありません。証券会社としては、客が資産運用をしてくれればよいのです。
 資産運用は自己責任なので、証券会社が言う通り投資をして、損失が出ても補償してくれません。証券会社が勧めるものに投資するのは、合法的な詐欺にあうようなものです。資産運用しようと思うなら、自分でよく勉強し考える必要があります。新聞の世界情勢を細かく、隅々までよく読んで状況を把握するべきです。始めたいと思う投資は、こまめにチェックしておくべきでしょう。

資産運用での失敗事例

 資産運用を始めて、失敗したことを紹介します。
1.店舗のある証券会社に行き、資産運用の口座を作った
 資産運用については全くの素人だったので、まずは証券会社に行き、どのようにすればよいのか相談をしました。前にも記載したように、証券会社にとっては「カモがネギしょってやってきた」状態です。相談に乗ってくれる担当者を信用して、いわれる通りにポートフォリオを組み立てて投資を始めました。
 保守的な運用ということで、損失が少なくなるような組み立てです。損失は少ないけれど、利益もほとんどありません。証券会社が儲かるばかりです。店舗のある証券会社は、売買手数料がとても高いのです。人を雇っているのですから、当然のことでしょう。
 NISAというものがあって、利益に税金がかからない制度があることも知りませんでした。
2.証券会社の担当者が勧める個別株式に投資した
 
私のポートフォリオを見ればわかると思いますが、個別株式への投資が多くあります。担当者が勧めるものばかり投資していました。ソフトバンクや沖縄電力、ヤクルト、アマゾンなどです。個別の株式は、値上がりや値下がりがとても大きく、リスクの高いものです。よく自分で調べてから投資しないと、夜寝られなくなります。
3.証券会社の担当者が勧める投資信託に投資した
 投資信託は、投資の専門家にお任せの投資で、利益の中から信託報酬という手数料を取られるものです。証券会社のお勧めの投資信託は、この信託報酬がバカ高いものばかりです。注意しましょう。
 さらに、ポートフォリオにある「アライアンス」は、毎月配当がある商品です。利益があろうがなかろうが、配当が出てきます。利益がない月は、自分が投資した資産の中から配当が出ます。自分の資産が減るだけで、配当でも何でもありません。いわゆる「タコ足配当」と言われるものです。配当があっても、単純に喜べるものではありません。
 また、半導体にも投資していますが、これは目的別の投資でリスクがとても高いものです。変動が大きくしかも、信託報酬が思いっきり高いため、これも夜寝れなくなります。
 以上のような失敗事例を経験したことで、投資先は自分で調べるようになりました。また、売買手数料が安いネット証券に変更もしました。NISA口座も2023年に初めて開設しました。

資産運用の推移


 資産運用を始めた2018年末から現在までの運用状況が、下のグラフです。たまたま運がよかったのでしょう、5%程度の運用益を期待していましたが、目標を超えて利益(含み益を含む)が増加しています。

 丸5年になりますが、40%以上増えています。証券会社の担当者に勧められて購入した商品は、まだ一部しか売却できていませんが、ネット証券に変えて自分で考えるようになってから、大幅に増加しました。ただし、これは自分の実力ではなく、ただ単に運がよかったに過ぎないと思っています。FRBの偉い人や日銀の偉い人がチョット何かを話しするだけで、市場が大きく反応します。企業の業績なんか関係なく、株価が変動します。ネットにも投資の情報が多くありますが、投資の専門家でも損をするのに素人が勝てるわけないと思っています。
 
 資産運用の勉強途中ですが、お金持ちはどんどんお金持ちになるのがわかってきました。
 たとえば、資産が100万円の人が資産の半分50万円を株に投資し、1割の利益が出ると5万円です。税金をひかれると4万円ほどの儲けです。資産が1億円ある人が同じように資産の半分5000万円を投資し、同じように1割の利益ですと500万円になり、400万円の儲けになります。
 4万円はすぐになくなりますが、400万円は結構な金額です。夫婦で数回海外旅行ができる金額ですので、その分資産が減りません。世の中なんだか不公平ですね。
 ちなみに私は毎年、確定申告をしています。投資利益は分離課税ですが、一家全体の収入を含め総合課税で計算すると、かなりの所得税が還ってきます。資料さえ準備しておけば、税務署に行かなくても「e-Tax」で30分ほどで申請できます。便利になりました。

今後の投稿予定

 毎週日曜日の19時を目標に、毎年、数回行っている個人海外旅行の計画や、旅行の節約方法などを投稿していきます。ついでに、資産運用の実績なども紹介できればと考えています。

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