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【米国不動産】ゼロスタートから米国不動産投資に成功している人のアパート投資法

Twitterで米国不動産投資家の皆さんからたくさん勉強させていただいていますが、最近浅野ヨシさんというアメリカ生活25年でダラスを拠点に大成功を収めた日本人の方が出された本があることを知り、早速読んでみました。

目次

目次項目はこんな感じです。

  1. 貧乏留学生が不動産ビジネスに出会うまで

  2. まずは、不動産投資を理解する

  3. アメリカで不動産投資を成功させるための、スタートアップ

  4. やってみてわかった!住宅フリップビジネス

  5. アメリカ商用不動産ビジネスの世界

  6. 物件取得までのプロセス

  7. 投資案件クロージングの実例

  8. コロナ後に迎える世界はチャンスであふれている!

  9. 個々の時代は好きなことをして収入を得よう!

読み手の前提条件

ニューヨークに移住して5年目の30代会社員です。
日本で中古ワンルーム投資の経験があるので、不動産投資の仕組みや費用、トラブルなど、多少の経験はあります。

一方で、アメリカの不動産投資はよく言われるように、値上がり益によるキャピタルゲインを狙うことができるということ、州やエリアによって不動産に関わるルールや特性が異なること、ファイナンスの種類やルールが日本と異なることから、今本を読んだりYouTubeを観たりしながら勉強しているところです。

近い将来に自宅不動産と投資不動産、賃貸収入物件の第一号をスタートしたいと考えています。

読んでみて学びになった点

移民一世でも成功できる!

浅野ヨシさんは19歳で渡米されて、文字通りゼロから資産形成をされており、とにもかくにも、たくさん勉強をして行動をすることでチャンスが回ってくるし、行動しないことには成功はないということを強く感じました。

また、小さい規模の投資から始めて元手を作り、段階的に大きな投資へとステップアップされていったことも実体験ならではの書かれ方のように思いました。

積極的に目指す世界の先輩たちに会いに行く

この章で好きな箇所は、自分が目指す世界に入るためには、まずは積極的に目指す世界の先輩たちに会いに行くことが重要だ、というところです。

自己啓発の父、ナポレオン・ヒルが「思想は現実化する」と言ったように、成功までの道筋や成功後の自分の姿を頭の中で明確に描くことができることが大事です。

そのために、まずは不動産投資サークルやセミナーにたくさん顔を出して、顔見知りを作ったり、コネクションを形成することで、先輩方が話している内容に慣れていくことがまずは大事なスタートラインになります。

Buy Million, Own Million, Get Million

次はゴールの設定ですね。ゴールを設定することで、自分の資産形成に自制が生まれ、闇雲にカネを追うことから開放されるように思います。

浅野ヨシさんがメンターからもらった言葉がこれです。

まず1億円相当の物件を買い(ローンでCFが出る物件を)、次に1億円の資産を持ち(総資産からローンを引いた純資産)、最後に1億円のCFを得る

最初はローンを使って資産価値で1億円を目指し、次にローンを返済しながら純資産1億円を目指し、最後に純資産から生まれるキャッシュフローで1億円を稼ぐ、ということだと理解しました。

つまり、最後のCFで1億円に到達するまでは、ずっと投資活動とバリューアップを継続し続ける必要があり、それまで手を抜いてはいけないということですね。

ロバート・キヨサキ氏の「先に投資して資産を作り、資産から生まれるCFで生活費を賄い、欲しい物を買う」という文章にもあるように、投資でうまくいきだすと、きっと成功した気分になってすぐ贅沢をしたくなってしまうのでしょうが、自分が使えるお金はあくまでCFが生んでくれた余剰資金に限られるというのは大事な点です。
間違っても物件売却で得られたキャピタルゲインで贅沢はしてはいけません。

個人の財務諸表を作ってポジション確認

本書の中では実際に浅野ヨシさんが使っておられる個人用財務諸表のサンプルが掲載されています。

定期的に個人財務諸表を作成することで、自分の資産がどのように推移しているか定点観測することが重要ですね。

これは僕自身も2014年から毎月月末に自分の資産金額とそのアロケーションを記録し続けていて、資産の成長を見ることでモチベーションを維持できることも去ることながら、どの資産クラスが良い伸び率を持っているかということも観察できるので、資産アロケーションの再配分を考えるときにも役に立っています。

今自分で使っているものは資産サイドしか管理がないので、負債部分と損益計算も取り入れていこうと思います。

アメリカ不動産マーケットの特性

面白かった点は、ニューヨークやカリフォルニアといった沿岸部の大きな都市は、隣接する国外(ニューヨークであればヨーロッパ、カリフォルニアであれば中国)からの投機マネーが流れ込みやすいという点でした。

アメリカのマーケットの状況とは別に、それぞれ国外の経済状況によって、不動産マーケットに入ったり出たりする資金が変化するリスクがあることは知りませんでした。

マーケット選びの基準

よく言われている雇用が増えていること、人口が増えていることに加え、法律がビジネスフレンドリーであること、というのはあまり知見がないことでした。

特にカリフォルニアは貸し手には厳しいルールである一方、テキサスは貸し手が強いマーケットだそうです。
自分が投資をするときには、非常に重要な観点になりますね。

またマクロな観点でもラストベルト地域からサンベルト地域へ人口の流れがあることも知りませんでした。

確かに、今回のコロナの影響でもニューヨークから多くの人が東海岸の南のエリアに引っ越して行きましたし、カリフォルニアからアリゾナやテキサスに人が移っていくというニュースもよく見聞きします。

そういった意味でも、これからのアメリカ不動産投資のメッカは南半分のエリアなのだと思います。
すでに不動産投資界隈の注目を集めまくっているテキサスにまだジュースは残っているのか、それとも他の州に目を向けるべきなのか。
ニューヨークというリモートからの投資になりそうなので、よくリサーチをして勉強していく必要がありそうです。

不動産マーケットのサイクル

不動産マーケットは株式市場に比べるとゆっくり後を追いかけるようについてくるということは知っていましたが、改めて文章で読むと体系的に知識が得られて勉強になりました。

各周期が8-10年で回っていくため、今はちょうど値上がり期に当たる頃でしょうか。
株式市場の値上がり期は一昨年、昨年と続いたので、不動産市場の値上がり期はもう数年続くのかもしれません。
「頭と尻尾はくれてやれ」と株式市場で言われるように、最高値や最安値でディールをすることは不可能ですから、今が値上がり期なのであれば、できるだけ早く仕込んで、安定期までにキャピタルゲインを取れるような投資をしたいですね。

フリップビジネスのビジネスモデル

経験者ならではの視点で、どれくらいの予算でどんな投資をして、どのくらい粗利が見込めるのかという点や、どんな失敗をされたのか、一番要となる物件検索のやり方などが書かれていて勉強になりました。

商用不動産投資のビジネスモデル

まだアメリカ不動産投資のスタートラインにいる立場からすると、このトピックはもはや「この人すごい人だな」と感心する他なく、まだまだ自分の投資対象には程遠いイメージでした。

無事にシングルファミリー投資を積み上げて次のステップに上がれる頃に、また読み返したいと思います。

キャップレートの計算方法

YouTubeを観ていてキャップレートについて多くの投資家の方が話しているを見ていましたが、あまり計算方法までは触れてくれなかったので本書で詳しく書かれていて勉強になりました。

キャップレート=NOI/購入価格 という計算で求められます。

NOIとはNet Operating Incomeのことで、不動産投資の収入から経費を引いた利益部分です。

不動産投資で言う収入とは、家賃収入から(賃料未回収+空室ロス+割引)を差し引き、家賃収入以外の収入(ランドリー、車庫、倉庫、Wi-Fi、延滞料、ペット家賃、光熱費など)を加えた金額です。

一方で経費とは、光熱費、修繕費、害虫サービス費、人件費、広告費、固定資産税、火災保険、管理費など、運営に必要な費用全般です。※費用にローン金額は含まない

つまり年間の不動産利益を購入金額で割ったものがキャップレート、いわゆる利回りということですね。

家賃を上げるためのバリューアップだけでなく、経費を抑えるための工夫も書かれていたのはとても勉強になりました。

物件のランク

アメリカの不動産には築年数に応じてAからCまでのランクがあることは始めて知りました。

おそらくこのランク付けは商用不動産に対して使われるものだと思いますが(普通の戸建てだったらみんな何十年も経過していてほぼCクラスだろうし。。)、そこにバリューアップを組み合わせてアセットクラスを上げるという手法があることは勉強になります。

まとめ

本書の後半は主に商用不動産やシンジケーションの投資方法についての説明だったので、僕自身にはまだレベルが高い内容でしたが、知識として知ることができてよかったです。

英語の本も読みましたが、日本語で書かれているとやはり頭に入りやすく、サッと読むことができたのも有り難かったです。

これから米国不動産投資に足を踏み入れたい自分としては、まずはたくさん本を読んで勉強すること、不動産投資サークルに参加すること、マーケットを探すことがスタートラインだと理解しました。

今はYouTubeやTwitterなど、学びを得られるソースはたくさんありますが、頭でっかちにならずに、行動を起こせるように第一歩に進みたいです。

本書はとても読みやすい内容で、米国不動産投資のマクロなマーケット観から個別の投資スキームまで幅広く網羅されていました。

これから米国不動産投資を勉強したい僕と同じような方にはおすすめです!

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