伝書鳩パーティー　（バレエショートショート）

藍は現在二羽の鳩に挑戦中だ。題名に鳥がついていれば、間違いなく飛翔を思わせる動きがハードだ。通しで踊ると体力を消耗する。休憩時間をもらい、ろう下で水分を取っていると奨励さんが来て頼みごとがあるという。先生への伝言だ。

ぼくが悪かったと言ってくれ…

奨励さんの顔が腫れている。また喧嘩をしたのかと呆れつつ、藍は引き受けた。先生はフェッテの練習をしていたが藍の入室ですぐやめて、鏡の前のCD機に近寄り指導態勢に入る。藍は先生に言った。

奨励さんから「ぼくが悪かった」と

先生の眉が最大限に吊り上がり叫んだ。

許すわけないと言ってきて

藍はその通りにしたが再度伝言を頼まれる。

じゃ家出する

家出も許さない

途中でイヤになり伝書鳩役をやめたら、先生と奨励さんが直に怒鳴りあう事態になった。藍は帰り支度をしている間、もう仲直りをしたらしい。奨励さんが正座して踊る先生を拝んでいる。あれでも経営仲間兼夫婦パーティー  なのだと藍は肩をすくめる。

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たらはかにさまの企画に参加中です。

下の動画は藍が挑戦中の二羽の鳩というヴァリエーションです。二分弱

ギエムがロシアのバレエ学校にいるときのを発掘。もちろんギエムが二羽の鳩の主人公のグルリ役。画質荒いですけど、よかったらどうぞ。２０分ごろにソロで出てきます。足の長さと技術が段違いにすごい。他の子だって選び抜かれた子のはずだし、努力もしているはずなのに才能は容赦ないね。