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葬送のフリーレン「撃て」考察



アニメ:第5話「死者の幻影」
漫画:9話「死者の幻影」

画像は漫画のものを引用しています。漫画の9話は2024年1月29日現在、無料で読めます。

死者の幻影を見せる「アインザーム」という魔物が出したヒンメルの幻影がフリーレンを惑わせる言葉を使わなかった(「撃て。」のシーン)ことからアインザームの性質を導き、そこから考えられるフリーレンとヒンメルの関係性を考察しました。




アインザーム(幻影鬼)の考察

まずはアインザームの能力について考察しました。

アインザームの説明
©山田鐘人・アベツカサ/小学館



①フェルンを襲う時、フェルンとハイターしか知らないはずの会話をハイターの幻影がしていた。
被術者の記憶を元に幻影を見せていることが分かる。

フェルンとハイターしか知らない会話
©山田鐘人・アベツカサ/小学館
アインザームで出現した幻影との会話
©山田鐘人・アベツカサ/小学館



②フリーレン曰く、「被術者の大切に思っている人間の幻影を映す」。これはフェルンの幻影にハイターが出てきているのを見ても正しい。

©山田鐘人・アベツカサ/小学館



③幻影との会話内容
・ハイター:フェルンが魔法使いとして成長したのを褒めてきた。フェルンにとっては「これは私の大切な思い出だ…」とのこと。
・フランメ:フリーレンに命乞いをしてきた。フリーレン曰く、フランメの命乞いは聞き慣れていて罪悪感は無かったとのこと。
・ヒンメル:「フリーレン。撃て。」

●ここではヒンメルのセリフを取り上げます。ヒンメルの「撃て」というセリフから、アインザームは幻影を操作できないことが分かります。大切な人の幻影を見せて油断した被術者を喰らいたいのなら、ヒンメルの幻影にもフリーレンを惑わせるような言葉を言わせる筈だからです。

●だとすると、この幻影は被術者の記憶に沿って動いていると思われます。アインザームが幻影を生み出して見せているというよりは、アインザームが魔法をかけた人間が勝手に理想の幻影を生み出してしまう、という表現が近いかもしれません。



上記①~③をまとめるとこんな感じです
被術者の記憶を読み取って幻影を見せる
記憶の中でも、被術者が特に大切に思っている人間の幻影を映す
幻影は被術者の記憶の通りに動く。アインザームは幻影を操作できない。



フリーレンとヒンメルの関係について


今回の話からフリーレンとヒンメルの関係を考察します。(主にフリーレンから見たヒンメル像についてのお話です)

①前回は幻影にフランメが出てきたが、今回はヒンメルが出てきた
→10年の旅orヒンメルの死を機に、フリーレンの中で最も大切な存在がフランメからヒンメルに変わったということ。

©山田鐘人・アベツカサ/小学館


②幻影として出てきたヒンメルが「撃て。」と言って自分を撃たせた
→この幻影はフリーレン自身が生み出したもの。つまり、フリーレンが「自分の身を犠牲にしてもフリーレンのために行動する」というヒンメルの性格をしっかり理解しているということ。

「ヒンメルならそう言う」ことを、ちゃんと分かってる
©山田鐘人・アベツカサ/小学館


総括

フリーレンはヒンメルの死後、人間の事をもっとよく理解しておけばよかったと後悔して旅を始めました。フリーレン自身は自分が人間の心を分かっていないと思い込んでいますが、ヒンメル達とは10年もかけて一緒旅をしたのです。頭では分かっていないつもりでも、心の中では、共に長い時間を過ごした人間の事をちゃんと理解できています。

今回の「撃て。」という言葉も、フリーレンの記憶から生まれたヒンメルのセリフ。「ヒンメルなら自分を犠牲にしてでも私を助けるだろう」という信頼関係が、フリーレン本人も気付かないうちに築かれていたのでしょう。

心の底から信頼できる仲間だったからこそ、その仲間たちが死ぬときに涙を流すことができたフリーレン。魂の眠る地「オレオール」でヒンメル達の魂と再会した時、フリーレンは彼らとどのような話をするのか。楽しみですね

1話 ヒンメルの葬式
©山田鐘人・アベツカサ/小学館
2話 ハイターの最期
©山田鐘人・アベツカサ/小学館


愚痴とか


大好きなシーンなんだけどアニメだとなんかテンポが悪かったように感じる…。
やっぱり全体的に漫画の方が分かりやすいし読みやすい。
でもアニメはEvanCallの劇伴でエモさが激増してて涙がホロリ…。




似たような記事がありました。ご紹介まで。

https://somanystars.net/archives/15100


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