マイベストビール2020の話
禁断の話題。
2020年に飲んだビールで打線組んでみたぞ!というみんなが好きな話をしてみる。
最近来てもらった方のために一応自己紹介しておくと、クラフトビールのライターとしてポツポツ記事を書き、ビアジャッジを取得したものの、
当世の流行を追うよりは品質が高い地方のビールをディグしたり、
海外のドマイナーなビールを見つけてきたりする方が好きな、ビールクズです。
最近はもう一周回って一番好きなスタイルとかなくなってしまった。
強いて言えばヴィエナラガーか、、
基本的には記録にどんどん残していきたいので飲んだことないビールをどんどん飲んでいく一期一会みたいなスタンスなんだけども、
日本初上陸!とかいわゆる限定もの!みたいなのにはガッツリ手を出したりしてないので、「今更やっとそれ飲んだの?ww」みたいなチョイスもあるけど、
そこは同じ穴のムジナってことでどうぞ笑ってやってください。笑
さぁいってみよー!
ツールズオブザトレード/インダストリアルアーツ
冒頭の保険が一発目にすでにかかってくる安心設計。笑
飲んだ時の感想:
キャプテンクロウを凌駕するPAの衝撃。エクストラペールエールと位置づけライチや柑橘が超ジューシーなので度数以上に感じるタフなヤツ。ぐいぐい飲ませるがキリッと後腐れない酸味に後からハッとさせられる。
言わずと知れたアメリカ有名ビールだけど意外にも度数が4.9%なんだよね。
「この飲みごたえで5%?!」ってやっぱり実際に飲まないとわからないことは多いね。
反省の意味も込めて選出。
マスアガヴェ/ファウンダーズ
これはまぁあれです。樽シリーズのテキーラバレルエイジドという誰が飲んでもやられるやつなんであまり参考にならないというか。
またアメリカでスンマセン。
飲んだ時の感想:
樽シリーズのテキーラ樽で熟成させたゴーゼ。鼻を近づけただけで幸せ。酸味が支配的だがふくよかな甘みと樽のアロマが複雑。
感想適当すぎるw
ゴーゼのバレルエイジドっていうだけで即買いもんですね。
限定品なのでもう飲めないけど、樽熟成ものはバーボンもいいけどテキーラの風味も一度試してみる価値あり、ですよ奥さん。
日本だと秩父さんあたりがやってるのかな?
888/アンドビール
「月刊食堂」のレイアウト特集でも取り上げられたこともある、オシャレな目黒のAnother8さんの周年記念限定ビール。
飲んだ時の感想:
レモネードをテーマにしつつ呉のレモン、蜂蜜、希少糖とスパイスで仕込んだ特殊なビール。リフレッシュに最適なのにカプサイシンな辛みで杯が進みまくる絶妙さ。食中酒としてもテキーラ好きにもGood
ハニーかつスパイスエールというアンドビールさんらしいアプローチで、あまりしたことがない体験ができた興味深いビールだったので選出。
今年最も「もう一度おかわりしておけばよかったな」と後から執心したビールでもある。
コロナで大々的にイベントを告知できなかったスタッフさんたちの表情が今でもよぎる苦い思い出。
梅雨セゾン/COEDO BREWERY
基本的には同じ銘柄を何度も飲むことは少ないのだけど、これは今年はまったビールのうちの一つ。
サンディエゴのStone、ニュージーのGarage Projectと合同で作った上にコッポラの持つシャルドネ樽で熟成をさせたという鬼のコスパ。
どうやってコラボを実現させたんや…
飲んだ時の感想:
答案用紙。埼玉県産の梅、小麦、氷砂糖を駆使し個性豊かなホップでアロマ添付しつつ、シャルドネ樽で熟成もさせたとんでもないスペック。梅セゾンの中ではパンチは控えめだがぶどうらしさをはじめフルーティなアロマ、押し付けがましくない炭酸とラベルの佇まいが海外にはない日本らしさを演出。高コスパ。
梅を使ったセゾンやサワーは日本ではそろそろやり尽くされてきていたが、これはその梅の酸味が酵母のためか?カスクアロマのためか?マイルドに整えられており、新鮮な発見があった。
ワンアンドオンリーIPA/ BLACK TIDE BREWING
やるぞやるぞとは聞いていたけどそれ以上にやる。
今年だったっけ?というクラファンによるデビューからの、
TRANSPORTERとのONE ANS ONLYプロジェクトで人気どころと早くもコラボしてすごい醸造所なんだなぁと思っていたけど、飲んでビビった。
飲んだ時の感想:
新世代。気仙沼から期待され始動した新しい醸造所のアメリカンIPA。ポートランド出身の醸造長らしく、ライムや柑橘を表に堂々としたモルティさを裏にし、どこかクリーミーな香りもあるすべての基準が高いバランス。これが普通と思える時代に感謝したいレギュラー品。
いや本当に日本のクラフトビールのレベルは年々上がってきてるけど、こういう他者を脅かすというか鼓舞してくれるようなところが増えてくれるのは飲み手として単純に嬉しい。そんな意味も込めて評価。
BB2020 グリットエール/ベアードビール
選出理由は前回のエントリーを参照に。
ベアードビールの工場見学に行った話
飲んだ時の感想:
創業20周年限定品。初めてIPAを飲んだときの喜びを思い出させてくれるような強力なビール。ベースはゴールデンエールだが度数と得意なホップのキャラクターの強さ表現力はさすが。氷砂糖フロアモルテッドモルト使用、クロイズンなど素材のこだわり方も注目すべきで麦のタフさも喉越しの強さも大変爽快な集合知。
前回言及しなかった補足を。
クロイズンを簡単に説明すると、「まだ完成まで至っていない若いビールA」と「発酵まで完成したビールA'」を混ぜることで、二次発酵を促すドイツの伝統的手法。
調べてみると日本でもやってるところはちょこちょこあるようだけど、ベアードがそんな手法を知っていることが衝撃だった。
ベアードはもっと評価されるべき。
セントベルナルデュス クリスマス/セントベルナルデュス
クリスマスシーズンのアビィクアドルペル。こういうの飲むとヘイジーの一時的な盛り上がりを冷静に見れるようになるなぁ。
飲んだ時の感想:
季節限定品。ホリデイ。かのフレテレンと同じだが毎年レシピを微調整しているという香辛料がリッチなデザートビール。自然酵母によるクアドルペルで、干しぶどうのようなふくよかな甘味は黒砂糖か。
紅白で石川さゆりが出てきたくらいの〆感。レシピとか公開されてるかわからないけど、オールスパイス、クローブ、シナモンあたりを感じる。
あとこのこっくりした独特のフィニッシュが10%のABVにマッチ。
まだ今年2週間くらい残ってるけど、悩み抜いた7液種。出会えたら皆さまも飲んでみてくださいね〜
やっぱり絞りきれなかったので載せるプラスαたち↓
オリジナルヴァイセビアー/シュナイダーヴァイセ
長く残るビールは説得力が違う。
かいぶつ島ビール/鶴見酒造
海部津島(あまつしま)をかいぶつ島と読んだ愛知の地ビールだが複雑なメルツェン。
BAKA LAGER/HINO BREWING
久々に「ウマッ!」と即座に思えたボヘミアンスタイルのラガー。今後に期待。
ファーストダウン/タッチダウン
一杯目専用というだけあり米コーンスターチは相性抜群。
ココナッツIPA/スーパーフレックス。
カナダのココナツヘイジー。ラベルも気に入った。
マスアガヴェ グレープフルーツ/ファウンダーズ
上記のグレフル入り版。こっちの方が複雑でさらにうまかった。
スプルースエール/クラン
スコットランドのアイラモルトバレルエイジド。ピートで悶絶。
コーヒースタウト feat Pie&Coffee mamenakano/MAKUHARI BREWERY
出来たばかりだけど国内屈指レベルのコーヒービールに驚いた。これがあるからビアバー巡りはやめられない。
Beautiful Name/Let's BEER WORKS
こちらも出来たばかりだが、タレスという新種ホップのセッションシングルホップ作ってて良かった。IBUKIのような、ボンタンアメのような初体験のニュアンス!
アルト/穂高ビール
もう安定、定期、応援していく。田沢湖アルトやケルシュとも戦えるというかそれ以上と個人的には思う。
というわけで3000文字超えになったけどビール好きはさくっと読めてしまう内容ではないでしょうか!
好みの主観だけでなく、なるべく論理的に解説もしたつもりです。
みんなのビールも教えてくだされ〜
ビールと音楽とクリエイティブを中心に少し突っ込んだことをまとめるように心がけています。 サポートしていただけると心の励みになります。