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モンキッシュという、現象(長編)の話

その竜巻の中にいて上を見上げられるか


インスタにも前半は載せたけど、note用に微妙に修正したのでお楽しみあれ。

Monkish Brewingがついにナガノトレーディングさん正式輸入!
ということでアンテナアメリカ横浜店のタップテイクオーバーを聞きつけて、、、
迷ったけど…行ってきた。

Monkish Brewingとは?

2012年創業でレーティングサイト上位ながら小規模(アメリカでは)の醸造所でアメリカ在住の人でも全然買えないことで人気に拍車をかけたカリスマ的存在。
それが飲めるというのは滅多にないチャンス。
初めて聞く人に向けて例えるなら、
隣の店に今メッシがメシ来てるっていうくらいの一生に一度あるかないかの確率。恐らく。笑
そんなタイミングで見に行かないのは後悔するんじゃなかろうかと。笑

実飲、感想

さて、もう飲んだ方の投稿は一通り出揃ったので身も蓋もないこと言うと、
先日NYの友だちからもらった(常温を一度経ているであろう)Equilibriumのレベルに打ちひしがれていたので、
飲む前の予想で言うとそれを超えることはないだろうと思ってました。
結論から言うと、やっぱりその通りでした。自分の感想は。
国産ヘイジーのレベルの高さを認識できた好機だった。


実際に飲んだのは
3番 Quiet Reflection


7番 Mockeries

5番 Water Balloon Fight Club


さらにビール仲間に遭遇したことで他の液種も一口頂戴することができた。

左から7659番。見分けるのムズい…w
総じて泡立ちはほぼなく、Trilliumと大きな差はなかったかと。
実際周りの反応もそんな温度感。
推測するに、多くのビールを普段飲んで経験値が豊富な人ほど驚きはなかったはず。
1のラガーが一番美味しいという声もスタッフ含め聞こえてきたり。
期待しすぎちゃったのだよね、みんな。
大前提、オフフレーバーは全般感じなかった。

ヘイジーIPAという飲み物の大きな短所は、甘くボディが厚く度数が高いことが多いため、食事に全く合わないしすぐ酔って他に何もしたくなくなること。飽きが早い。
さらにMonkishで言えば値段が高すぎる。1缶2000円で賞味期限も短かったら本当に嗜好品そのもの。
反対に特別な日に飲むなりプレゼントで価値が出たりと普通のビールと違う使い方ができるかもしれないけど…
それ、別にInkhorn、WCB、うちゅう、VERTEREさんのビールでよくね?というのが率直な感想。現地だともっと安いわけだし。
(願わくはその層以外の勢力が来てくれることなのだけど…楽しみな醸造所はある)

ビールの面白さって?

僕個人はクラフトビール業界は閉塞状態にあり、現在の飲み手は新しいスタイルに渇望していると考えている。
あとは非常に変わった副原料が台頭するか、世界王者クラスのビールが良いコンディションで飲めるようになること。
でもコンディション合戦はもう頭打ちで、これ以降はもう下降線を辿るはず。なぜならそこまでフレッシュな空輸品を輸入できたとしてもその恩恵自体の幅が少ないから。
他にも世界トップクラスで日本に正式輸入されてないビールはあるけど、
数年前と違いこの手のスタイルの限界はピークアウトしたので
船を飛行機に変えたくらいで劇的な満足度の上昇は起きません。
いや、満足させてくれるかもわからない。。
突出する存在がいても、全体で考えるとビール自体の底上げにはなってないという点では、
大谷選手がすごくても、エンジェルスが勝てないのと似てるかも。笑
恐らく。笑
飲み手が期待していのはもっと違う角度の体験ではないだろうか。
(インポートする側も利率が低いから利益回収率も悪いし)

むしろ、手が届かないかもしれないスターブリュワリーを待つより上記国内4社の方がまだ日常使いとして現実的だと思った。それでも高いけど。笑
僕はビールはもっと大衆的なものだと捉えてるのでより一層そう思ってしまう。気軽に飲めない。
なので、これは一過性の「現象」にしかなってないなと。
ワインならこうは考えなかっただろうな。
ワインにハマってたら散財してただろうな。笑

メイドインジャパン

ヘイジーに関しては日本のブルワリーも遜色ないレベルのものもあり、すごいなと思うと同時に、
他のスタイル、特にサワーはまだ開きがあるように感じている。
一部の有名ブリュワリーばかり扱う中央集権的なインポーターのパワーバランスの偏り方も、そろそろ変わってほしいし、
個人的にはブラジルのビールのレベルアップの勢いとアジアビールの上陸の勢いがとても気になっている。
早く国際大会でジャッジングするレベルになって現地の方とコミュニケーションをとり、日本からは何を提示できるのかを考え還元したい。
それは必ずしもビアスタイルでなくても良いけど、
メインストリームを追いかけているだけではずっと竜巻の中から抜け出す道は見えてこないだろう。


追記:物価が日本より高く水500mlが400円前後と言われるアメリカで
Monkishのビールは600〜700円という情報をいただきました。
日本の円の感覚そのままとして700円だとしたら、かなりの高コスパと言えます(その分他のビールも安いことは安いわけですが)
現地で飲めたらラッキー?!

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