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2021年振り返り/マイベストビール/おまけの話。

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遅くなってしまったが2021年のベストビールをコメント付きで。
なんとか9つに絞った。順位ではありません。順不同。
写真左上から右下に進む。

①閻魔坂フルーツサワーヘイジーDIPA/カンパイ!ブルーイング
②ラブバズ 柚子サワー/ストラスコナ
③パーテルリーヴェンヴィット/ヴァンデンボッシュ
④グレープフルーツIPA/サンマイ
⑤プラネットHBC431/ホパラ!
⑥マシュマロモンスター/NAMACHAん Brewing
⑦ホワイトヴォウズミードエール/浅草ビール工房
⑧シュナイダーバイエリッシュヘル/シュナイダーズランド
⑨石井ブロンド/亀戸ビア

12液種くらいから絞るのは苦労したが、迷わず入れたのは①、②、⑤かな?
好みもあるが、
判断基準は「理屈ではなく心が動かされるくらい」おいしいと感じたかどうか、記憶に残ったか。

①素直なビールが多いカンパイさんの中では割と珍しい、カシス、ブラックベリー、スイートチェリー×DIPAと超ハイスペック8.5%を誇る一作。
ラクトースのコクと酸味のバランスが最高だった。

②ストラスコナのラブバズはいくつか発売されているが、
こちらは東京で間借りファントムブリュワリーで活動されている「スタイルブリューワークス」さんとのコラボ限定品とのこと。
柚子のよくあるすっきりタイプかと思いきやかなり酸味が利いたサワーで、
乳糖、オーツ麦、マダガスカルバーボンバニラ(!)と豪華な原価で複雑さをプラス。後味にウィスキーやバニラ様の香りが乗っており、ビールとしての表現を逸脱した完成度。

③限定ビールなどではなく老舗のベルギービールなのだが、
近年日本でベルギービールも入手難度が上がり、飲んだことがない銘柄が多数ある。
原料的には王道ベルジャンホワイトなのだが、どの副原料も完璧な域値に調整され、ベルギーの懐の深さを改めて思い知った。

④画像の通り、通常のグレープフルーツのビールよりも明らかに褐色寄りなのだが、ルビーであれば合点がいく。
味わいもまさにルビー特有の甘みがダークハニー、グミのような奥行きを表現できており舌が喜んだ。

⑤インポートされ始めたばかりのラトヴィアのマイクロブルワリーのビールなのだが、名前も本決定されていない新ホップをフィーチャーし既存のホップにはないキャラクターがフレッシュな状態で飲めたので感動した。
思わず取材を申し込むほどのクオリティ。

⑥年の暮れに発表された同社初のマシュマロ使用の限定ペイストリースタウト。
初とは思えないキレの良さがトロ甘ビールにありがちな後半のベタつきを払拭しており、燻製以外の看板商品の可能性も感じさせる。

⑦年の暮れに一度だけ仕込まれる、
カンピオン時代とベースは変わらない優しいミード風ハチミツビール。
甘みは強いがライトボディなのでそれほどくどくないバランス。毎年すすりたい。

⑧元々シュナイダーヴァイセが製造していたビールを復活させたという胸熱展開のヘレス。
入ってきた量が少なかったようだが、ヘレスとピルスナーの違いを知りたい人は必飲。熟成だけが醸せる伸びやかなモルトの旨味は、昨今のビールではなかなか味わえないので。なくなって欲しくない味。

⑨東京亀戸の極小ブリュワリーの伏兵ベルジャンブロンド。
酵母だけで八朔のようなニュアンスを十二分に引き出しており思わず舌を巻いてしまった。ホップに頼るすぎる現代へのアンチテーゼ感すらある。
初夏用だったがコロナのせいで発表時期がずれ込んだと伺ったが、これを夏の午後に飲むシーンが容易に浮かんだ。

限定品もあるが品質は間違い無いので見かけたら絶対に買い!というビールばかり。超オススメ!


おまけ①

遅筆になったので追加コンテンツを。

2021年のビールシーンのトピックをさらっと振り返ると、
・大手のクラフト化
・キルケニーなど海外有名銘柄撤退
・iBrewオリジナルビール醸造のお知らせ
・プロダクツ活性化で売上囲い込み
・スーパードライ刷新

などが挙げられる。
大変議論を呼んだ、日本における「クラフトビールの定義」はいまだに燻りが消えていない感はあるが、
長い大手独占時代からアルコール消費量頭打ちの新しいフェーズに移行したところで、打開策として大手がクラフトビールの多様性の取り込みが顕著だったと言えるのでは。
ことキリンにおいてはタップマルシェに留まらずレンタルビールサーバー事業
にも力を入れ、下記でも述べるが囲い込みに動いていることは自明。

一方海外の有名銘柄が売上減を理由に日本からの撤退を発表。
ギネスの看板商品キルケニーは既に関東からは樽がなくなり、広島の店舗にあるのみという噂だけを聞いている。
ミラークアーズのシンハーは別の買い手が見つかったという報道があったが、ブルームーンに関しては特別続報を掴んでいないので、近々日本から姿を消す模様。。

そしてそして年末飛び込んできた情報だが、CBMと並んでクラフトビール認知に一役買ったと言えるiBrewグループが自社ビール製造着手を発表した。
これは上記での言及に関連するが、利益の囲い込みに各社が一斉に乗り出した裏返しもである。
企業としてはそれくらいコストカットに走らないといけないくらい利益を守りにくいのだ。。
実は自社ビールはiBrewとしては悲願なのだが、主力スタッフ退職の情報もありクオリティに関しては注視したいトピック。

最後にかつての大手ビールの王者とも言えるあのスーパードライが、
キリンに一矢報いるために看板商品のテコ入れを発表したことはかなりの衝撃だったことが挙げられる。
消費者としては改悪されるかヒヤヒヤするが、アサヒはクラフト(風)事業面はうまくいっていないのでアップデートのために還元できるノウハウがあるのかは未知数である…


おまけ②

追加コンテンツその2。

日本のビールのマスターピースを決めよう!と題して、
国産ビールで「名作」と思うビールを募集する企画をtwitterにて
(ひっそり)決行。
雀の涙ほどの回答数しかなかったけど(笑)
回答とコメントは大変素晴らしい内容のものが届いたのでここで紹介。
(この企画は今後もやりたい…需要があれば…)
いやぁ興味深く読ませて、いや、勉強させていただきました…

Q.あなたが名作だと思う日本のビールを何度でも、好きなだけ、挙げてください。
(国産であれば醸造規模や値段などは問いません。理由や思い出などもあればどうぞ)

A.①サッポロ 黒ラベル/サッポロビール
いつ飲んでも安定した美味しさ。これぞ日本のビール。

by伊東幸一さん(びあ検1級保持者)

Neko Nihiki/伊勢角屋麦酒
定番として作り続けられているもののなかでは、一番印象的なビールです。

byTONGARI BEERさん(訪問したビアパブとビールをサイトに記録し続ける御方)

インドの青鬼/ヤッホーブルーイング
買いやすさと美味しさで。

byビール姐さん(某スーパーでビール売り場を任されている主婦の御方)

アサヒ スタウト/アサヒビール
日本が誇るインペリアルスタウト。
サッポロ 黒ラベル/サッポロビール
一切の過不足がないパーフェクトな味わい。おいしい水を飲むように身体に染み渡っていきます(状態良好で完璧な注ぎ方をされた場合です)
(大手の定番銘柄すべてと言ってもいいのですが、北海道に住んでいるので)。
国産桃ヴァイツェン/箕面ビール
ヘイジーに何年先駆けていたのか?時代を先取りした傑作。
コリアンダーブラック/ノースアイランドビール
山伏(シリーズ全般)/志賀高原ビール

by Maltheadsさん(札幌を代表するビール店Maltheadsさん。びあ検1級所持、ビアジャーナリスト )


ひょんな思いつきで始めたこの募集企画、熱い思いを投稿してもらい大変勉強になりました。。
肝心の国産ビールのマスターピース網羅版はまた次回に!

ビールと音楽とクリエイティブを中心に少し突っ込んだことをまとめるように心がけています。 サポートしていただけると心の励みになります。