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【10日目 三千円の使い方】あなたならどのティーポットを買う?

2023年4月21日
三千円の使い方
原田ひ香



あらすじ

あなたにとって3000円の価値はどのくらいですか
出てくる登場人物それぞれの価値観やそれに伴ったお金の使い方お金への価値、それに伴った人生への悩み、、、たくさんのことを取り巻いたストーリーとなっていました。でも決して”お金”を主張しすぎているわけではありません。
老後の資金問題や借金問題、夢を叶えるための貯金、、、自分自身に関係する問題や自分の周りでも起こりそうなお金にまつわる問題が次々と起こります。
そうなるとなんだか他人事ではないような気がしてどんどん読み進めることができます。

主な登場人物
美帆:就職して理想の一人暮らしを始めたばかり(貯金30万円)
真帆:美帆の姉。結婚前は証券会社勤務だったが、今は消防士の旦那を持つ専業主婦(貯金600万円)
智子:美帆・真帆の母。習い事に熱心(貯金100万弱)
琴子:美帆・真帆の祖母。老後のために一千万円貯めたがいつ手をつけようか悩んでいる

4人の価値観

Q.この中だったら直感でどのポットを選びますか。

A. ガラスのシンプルなティーポット
B.SNSで人気のコーヒー用の琺瑯ポット
C.おしゃれな北欧ブランドのティーポット
D.ロイヤルコペンハーゲンのポット


答えはありませんが、果たしてそれは自分の身丈に合っているのか、自分らしいものであるのかを考えてみてください。

一人暮らしを始めたばかりの美帆はAを選びました。理由はお茶を入れた時に色や中身が見えるしインテリアにも馴染む。それに3000円。よくお茶を飲む美帆らしい回答だと思います。

結婚して子供もいる真帆はBを選びました。手入れは大変だが、お湯も沸かせて小さめのヤカンとしても使える。それにSNSで話題と言ったら家事もやる気になる。
彼女は高いと思ったが3980円。小さい頃からお年玉を貯めて少し背伸びをしたお財布を買って今も大事にしている真帆らしい回答だと思いました。

バブル期に青春を送った年代である智子はCを選びました。誕生日に友達から贈られたものでしたが、バブル期に青春を送ったということもあり?友達も智子も女性誌には目を通し流行りのものには目がない。習い事に熱心で友達も多いと想像のつくSNSほどの流行は追えないかもれないが、流行りのものおしゃれなものを選ぶあたり智子らしと思いました。

物を長く大事にする琴子はDを選びました。これとは別で旅行先で買った作家の一点ものの急須も持っています。どちらもこの3人の中では一番値が張るものではあると思うが長年使い込むことを考えると日割り計算では1年間で三千円は切っているのではと考えられる。琴子の孫である美帆や真帆はよく琴子の家に遊びに来る。そんな優しく信頼されている琴子の手に馴染むようなティーポットであるなと思いました。

三千円人によっては高いと感じるかもしれませんが、少額だと考える人もいます。
その三千円を何に使うか、何を買うか、何を選ぶかが人生を形作っていくと言っています
この4人の回答にあったようにお金の使い方はその人を表していると言っても過言ではありません。そのティーポットそのものが自分だと考えると本当に相応しいのでしょうか。

あなたにとってお金ってなんですか

上でもあったようにお金の使い方がその人自身を表し形作っていきます。この本では登場人物それぞれが全く違ったお金への価値観や使い方が描かれ、自分ごとのように捉えられる面もありました。

登場人物それぞれのお金の使い方や悩みについて少し紹介したいと思います。
あなたのに似ている使い方をしている人、もしくは憧れる使い方をしている人がいるかもしれません。登場人物の悩みにも共感できる点があるかもしれません。
ぜひ自分だったらを考えながら読んでみてください。

美帆:仕事も一人暮らしもなれなんだか物足りないような気がしてきた美帆は昔買っていた犬を思い出しペットを飼おうと思いつく。
しかし、今借りている家がペットNGなこともあり現状では飼うことが難しい。色々考えた結果マンションが人気なこともあり中古一軒家の方が安くなっていることまた維持費もかからないため終家への安定を得られる。
そのためには一千万円貯めなくてはならないため、夢のために貯金を始めることを決意した美帆は節約から始める

真帆:証券会社で働いていたためお金に対しては厳しい。結婚相手は高校から付き合っていた人。新人消防士のため手取りは23万と多くはない
そのためポイ活をしたりフリマアプリで服を買ったり少額ではあるが株も取引するなど節約しながらも少しでもお金を稼ごうと頑張っている。
娘の将来のための貯蓄もこのまま順調にいけば一千万円は貯められる。
しかし、友達のキラキラ結婚生活などと比べると本当にこの生活でいいのだろうかと悩み始める

智子:突然病気になってしまい手術を受けることになる。退院後も医者には安静にしていろと言われているが家事をしなければ動いてくれる人は誰もいない。
どうして夫は手伝ってくれないのかと夫の関係に不信感を抱き始める
通帳を見た時にあると思っていた貯蓄は娘である美帆・真帆の大学費などに消え老後の問題や智子の病気が再発した時の資金などが足りなくなってしまう恐れもある。その現状に”自分だけ我慢している”と思ってしまう
そこで夫と少しだけ距離を置くことで自分だけが行なっている家事から少し離れて休息の時間を作ることで徐々にその気持ちがなくなっていく。が、夫は変わらないこのに悩まされている。

琴子:老後のために一千万円貯金していたが、年金が減ったことによりそのお金に手をつけるようになりもう残り数十万円しかないという状態になった。
今は元気だが将来介護施設に入ることが必要になったり、年を重ねると病気になるリスクだって高くなる。一千万円はそこに使うつもりだったお金なのに、それを切り崩さなければならないと思うと不安になってしまう。
そんなとき習い事に熱心な智子から料理の講習会を開いてくれないかと頼まれた。そこで受け取った謝礼に心を動かされもう一度働いてみようと決心する。アルバイト代があれば一千万円も切り崩すことがなくなり不安も解消されると考えている

安生:今自分のやりたいことや自由を求めて生活している。そのため、短期のバイトでお金を貯めては、そのお金で海外に行くを繰り返す不安定な生活をしている。もちろん貯蓄はゼロで困ったらその時に解決すればいいと考えを持っている。
しかし、短期バイトで一夜を過ごした女子を妊娠させてしまい、このままふらふらと生きていけると考えていた安生は、突然の出費や今後について悩まされる

きなり:安生の彼女。フリーランスという不安定な仕事をしているため、退職金もなければ年金も少ない。将来のために年金はiDeCo(個人型確定拠出年金)で、退職金は小規模企業共済で積み立てている。また、老後のお金についてはよく考えていて、投資も始めようかと悩んでいる

翔平:美帆の婚約者である翔平は奨学金の返済が滞っており利子付きで七百万円も必要になった。翔平の家族はお金にだらしなくローン付きでバイクを購入したり借金をして物を買うことが普通の家族であった。
美帆はその価値観に疑問を持ち、翔平も同じような価値観を持っているならば今後借金と付き合っていかなければならない。また、翔平は奨学金の返済もありこのままだと美帆の一戸建てを買いペットと暮らすという夢から離れてしまう。お金に関する理由から本当に翔平と結婚していいのか悩み始める

自分と似たような境遇の人や、共感できる人はいましたか。結果どのようになったのか問題は解決したのか知りたい方はぜひ本を読んでみてください。意外とすいすい読めてしまう本です。

感想

長々と買いてしまいましたが。。。

この本は親が読んでいて本棚にあったので読んでみました。
とにかく安生が好み。勝手な想像ですがきっとダンディーな男性なんだろうなと憧れています。また、学生のうちに安生のような生活を一度でもしてみたいなとも思いました。

あまり書きませんでしたがこの本では何回か”家計簿”についての話が出てきました。特に琴子さんが家計簿をつけることを推薦していて、家計簿をつけることで今あるお金を把握することができ落ち着くと言っていました。また、節約かの真帆さんは家計簿をつけることで貯蓄計画などが立てられると言っていました。
昨日の厚切りジェイソンさんの話でも書きましたが、やはり支出額を見直すことはお金を扱う話では一番大切なんだなと学びました。

皆さんも支出を見直し、この買い物は本当に自分にふさわしいのかを一度考えてみてください。

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