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2日目 「あなたのための短歌」

2023年4月13日
あなたのための短歌
木下龍也 著作



振り向けば君しかいない夜のバスだから私はここで降りるね

誰のための短歌?

この本は作者の木下龍也さんに集まった短歌の依頼メールで届くお題を元に短歌を作り、封書にして依頼者届けるという企画の作品を集めたものです。
依頼者はこの購入した短歌をどのように使ってもいいという、依頼者に著作権を譲ていいるため、作者は記録としても残さず公開もしていませんでした。

この本は制作するために依頼者から送った短歌を提供してもらい、その約100首を収録してあります。

作者がメールをくれた依頼者の”あなた”のために作った短歌の歌集となっています。

この短歌は依頼者のものなのでこの本の印税は作者には入らず、短歌の普及のために希望する施設に歌集を寄付するために使われます。

私だけの短歌


お題は悩みごとや、たった一文字の言葉、生や死、恋愛、など様々なお題が並べられています。
時には依頼者しか経験したことないようなお題もあります。
それでも作者は作者の目線でこの依頼者のお題に答えています。

依頼者にしか知らないこと経験したことないことが短歌となって依頼者のもとに届くので、依頼者にとっては「私のために作られた、私だけの短歌」になるのです。

その短歌は依頼者の背中を押したり、支えになったり、癒しになったり。。。
依頼者ではない私たち読者も、共感できるものや欲しかった言葉が載っています。

その短歌は”あなた”のお守りになり、読んでいる私たちのお守りにもなります。

お気に入りの短歌

お題
長い間、片思いしていた相手がいます。もう前に進むと決めました。背中を押してくれるような短歌をください。

短歌
振り向けば君しかいない夜のバスだから私はここで降りるね

とても純粋な書き方で、風景がパッと頭に浮かぶ哀愁漂う歌です。
エモい。ただそれだけの理由でお気に入りになりました。声に出して読むと何となく、前を向ける歌です。

感想

この本は推しがおすすめの本として紹介していたので購入しました。

今はもうやっていませんが、「あなたのための短歌一首」という販売をしているのを知ったら私はすぐ依頼者としてメールを送り私だけの短歌を作ってもらったと思います。

なぜなら、ここに掲載されている短歌は”あなた”のもとに届き大切にされてる。その大切さがこの本を読んで伝わってきました。

そんな大切な存在になるような私だけの一首を欲しかったなと思いました。

あなたのお守りであり、それに共感した誰かのお守りでもある短歌約100首。

ぜひ一度この本を手に取って、自分のお気に入りの短歌を見つけてみてください。





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