SCGK②(スーパーチビ助ゴールキーパー②)
先生の教えは前へ前へのプレスでした。
技術に勝るフランス人に勝つには気持ちしかないと。
しかし、飛び込むとすぐかわされるので、しつこく粘って足を出せと。とにかくプレッシャーをかけ続けてボールを取れと。シュートコースもパスコースも防ぐような形でプレスをかけ続けろというものでした。
確かにやられるととても嫌なものです。攻めてる方もミスしやすくなるし、疲れる。例え攻めてても勝ってても疲れる。
とにかく粘れ、足を出せ。一発で行くな大きく足を出さず、飛び込まず、コースを塞げ。走り込んでてスタミナはあるので、めちゃくちゃ面倒臭いと思います。
特にフランス人は気質的に無駄だと思ったら諦める、行けそうならガンガン行くという感じなので、負けてるのにそのモチベは理解できない感じでした。
私はとにかく残って練習しました。
そうすると、手伝う人が出始めました。先生とキャプテンがフォワードを三人集めて五人で、左端から順番に五個ボールを置き、順番に間断なく打ちまくるという練習を課して来ます。結構いいコースを狙って来るので、横に飛ぶ。右に飛んだらすぐ次の人が左端を狙って打つのですぐ立ち上がって左に飛ぶ。また次の人が右端を狙うので、すぐ立ち上がって右に飛ぶ。という具合に野球でいうノックのような状態です。
バテると私の性格を見越した先生が「あれ?何ナニ?バテてんの?…辞める?やめとこか」と言い出す
「やれますよ」と立つ。
また始まる。バテる。
「もう足動いてないな。後5セットくらいできるかなと思ったけど…やめとこうか。な?」とか言う
「後、6やりましょうよ」とか言う
そんな感じで至近距離からバカバカ蹴られて、思い切り真っ直ぐ打つパターンもある。先生とキャプテンの球は質が違うので、めちゃ重い。後、地を這うようなスピードボールも打つ。バテてなくても取りにくいのに容赦なく蹴る。
そんな日々を過ごしながら、私ともう一人の中学時代県代表地元クラブ通いプロ目指し後輩キーパーとで、半分ずつ試合に出ていた。一応スタメンが私で、前半出る。後半から後輩が出る。という具合だ。
ある日の試合前、先生が私と後輩のどちらを試合に出すか迷っていた。
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