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屋台屋 博多劇場という居酒屋が面白いらしい

看板男子/看板女子総選挙など独自の取り組みを進める『日本一のおもてなし集団』を目指した「屋台屋 博多劇場」が面白いと話題になっているので少し調べてみます。


外食産業の市場規模について

ひとまず居酒屋の市場規模全体について見てみましょう。

日本フードサービス協会の調べによると、2018年で1兆189億円で0.7%成長となっている。めちゃくちゃ成長産業と言うよりは景気に比例して上下しているような感じでしょうか。

ただ飲み会離れと言われている中で成長しているとは意外でしたね。


運営会社の成長について

屋台屋 博多劇場を運営しているのは株式会社一家ダイニングプロジェクトという企業で東証一部上場を果たしています。

この会社は飲食事業とブライダル事業を展開しているのですが、今回は飲食事業にのみ目を向けたいと思います。

以下を見るとわかるように、2018年で25%以上の売上成長を果たしていて、市場成長を大きく上回っていることがわかります。

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※株式会社一家ダイニングプロジェクト2018年度3月期決算説明資料


成長を支える3つの戦略

①客単価を下げる

外食産業において、通常は客単価を考えることを重視されます。しかしこの企業はむしろ下げることを行います。

理由は客1人あたりの来店頻度を高めるためにあります。

単価が低くても週2回来店してもらうためのメニューや接客を心がけているのだそうです。LTVを高める戦略をとっていることが成功要因の1つですね。

②客を楽しませる企画

以下の持ち出せシリーズなんかはめちゃくちゃおもしろいですよね。行きたくなっちゃいます。

『持ち出せシリーズ』という企画では、サングラスとか家のリモコンを店に持ち寄ってもらうんです。持ってきた分だけ飲み物サービス。リモコンは1500個くらい1週間で集まったんですけど、帰りベロベロなんで違う家のリモコン持って帰っちゃうんですよ。居酒屋って楽しんでもらうところじゃないですか。話題提供になるような、スタッフとお客さんが遊べるような企画を出していきます。(日経MJより)

また会員アプリもあるようで60万人の登録があるとのことです。ここの利用者の動きも見逃さない、ユーザーはスタッフページを見る頻度が高いことから、スタッフ総選挙の企画を実行したりしています。

③クレームを聞かない

ここでのクレームを聞かないというのは客の声を聞かないという意味ではないでしょう。

『日本一のおもてなし集団』を目指している中で、関係のない声には耳を傾けてないとうことでしょう。

自分たちの目指す姿があって、それに対してユーザーの声を聞く、何でもかんでも聞くことで凡庸のサービスを目指したりはしないのです。

まさにマーケティング思考が染み付いている証拠でしょう。

出店数を急激に伸ばしたりしないのも地に足ついた経営で素晴らしいですね。


最後に

一家ダイニングプロジェクトでは「日本一のおもてなし集団」を目指といってメッセージングがありますが、結局のところ戦略はシンプルであるに越したことはないということがわかりますね。

何でもかんでも手を出したりするのではなく、経営として選択と集中を行っているこの企業戦略から学ぶことも多いのではないでしょうか?

個人的には「屋台屋 博多劇場」に行ったことないので、今度足を運んで見ようかと思います。