キリン「生茶」のV字回復とマーケの力

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キリンの生茶に対して、ちょっと贅沢な本格緑茶といったイメージございませんでしょうか?

実は確固たるそのブランドイメージの裏には大きなブランド変遷があったので、簡単にご紹介致します。

緑茶飲料の市場規模

実は2000年からの5年で倍以上の成長を遂げています。

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これは生茶の登場が緑茶飲料ブームを巻き起こしたため市場の成長を牽引しました。

とはいえこの市場成長はすごいですよね。

現在の生茶について

2016年、生茶がブランド刷新を行い大復活を遂げました。

いまでも飲料部門で上位に位置する生茶、そのヒットの要因を探っていきましょう。

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初代の生茶の誕生

生茶の歴史は意外にも古く、初登場は2000年になります。

当時、王道ど真ん中をいく「お〜いお茶」が業界トップをひた走っておりました。

そんな中「生」という概念をお茶の業界に持ち込んだ

「生茶」だ旋風のごとく登場するのです。

cmでは松嶋菜々子を起用して、口どけを爽やかに表現。

cmの効果もあって生茶は大ヒット、一時は業界シェアを20%以上も獲得するまで至ります。


低迷期

しかし2005年を境に徐々に業績は低迷してしまいます。

理由としては、サントリーの伊右衛門、コカコーラの綾鷹の登場によって本格系緑茶の飲料品はコモディティ化してしまったことではないかと考えられます。


再起をかけたプロジェクト

そこで2014年にブランドイメージを刷新するプロジェクトが立ち上がります。

そこで取ったのは「本格」を徹底的に押し出すことで競合に勝ちに行く戦略でした。

パッケージを瓶に入っているかのように見せるペットボトル業界では例を見ない手法、「生」を徹底追及して「振って飲む」という訴求によって濁りを武器に「本格」で勝負に臨んだのです。

cmでも吉川晃司さん、吹石一恵さんを起用、なんとすべてアドリブで撮影を行うことで強い本格感を訴求することに成功しました。

このcmでは「まるごと出し切る」を、吉川晃司さんの「いいねえ」や吹石一恵さんの「香りが立体的」という飲んだ後のコメントによって瞬間を切り取っていることが強い訴求になっていますね。

この商品リニューアルと新訴求によって生茶は復活をとげたのです。


このようにブランドの歴史を辿ると今まで見えなかったものが見えてきますし、やはりブランドはストーリーが大切だと改めて実感しますね。

今後もいろんなブランドに迫っていきたいと思います。