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F. カルッリ「ワルツ」(練習36) 〜 「青本」和声分析12


F. Carulli: Valce 概要

ト長調、A - B - A' - C - A''のロンド形式。
3回出てくるAの部分は変奏となっている。

和声分析

A, A' & A''パート

A
A'
A''

3回現れるロンド形式でいうところの「A」の部分は全て同じ和音で、音型だけ変えたものとなっているので、まずそれらを並べてみた。
前半はT - SD - TとT - D - T、後半はDからのTという和音になっている。
後半は属七の和音で線を引っ張っているが、各小節の音を見ていくとVとIが交互に出てきているようではある。ただ低音でずっとDが鳴っているので機能としては最後の主和音以外はドミナントの効果と考える。

Bパート

ホ短調(平行調)に転調している。和音としてはIとVが交互に出ているだけのシンプルなものとなっている。また繰り返し現れるバスのG  - Disという減4度の下行も印象的。

Cパート

ハ長調(下属調)に転調。今までの各パートが2部形式だとすると、ここは3部形式のようになっている。最初と最後のパートが同じ低音を繰り返し鳴らすのに対し、中間部はG - F - E - Dという順次進行を繰り返す形となっている。
ここも和音は基本的にIとVのみだが、55小節目と71小節目だけ変化している。
尤のIIとVとしたものも、属七の和音で和音で転回しているだけと捉えることもできるが、属音(G)は鳴っていないので、別の和音としてみた。

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