即興連歌・タバコ

幾度か吸ってみたが、苦いだけだったタバコ。

煙の塊を吸って吐き出す、闇に浮かぶ煙。

そこに何故か、不思議なノスタルジィを感じた。

 

煙吐き空に昇れど風攫う僕と君だねと笑う路地裏

名を捨てて、生きているよという手紙君が好きだったタバコ添えられ

煙吐き、闇夜に溶けし、この夜と、いずれは闇に溶けゆく僕ら

一人飲み、煙吐いては、ふてくされ、孤独のフリせし夜の居酒屋

首絞めて、死姦せし、少女横たわる、タバコ吸う僕の冷静に泣く

朝靄に煙吐き出すその朝が今日から日常になる初日よ

一四から吸っているよと自慢せし、君が汚すは十八の肺

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