歌集「らくがきノート」#1

新しい歌集です、重いの疲れました。

遊び人そんな男と腕を組む人、見て泣くアイツにジュース奢りて

樹液出る木に虫たかる我が傷に垂れる血啜れさぁカブトムシ

「オモシロイ!」あなたの無神経な評価、血の付いた斧の絵文字を返信

暴力も気づけば弱さに数えられ妻作りたる煮物いとおし

守るべき妻と娘の間にある、亀裂恐ろし家族のだんらん

ある日の朝スマホ持つ娘味噌汁を零すさま見る父の無表情

たれからも相手にされぬという自由、愛から始まる、妬み地獄よ

「寂しいの? だから私が来たのよ」と、面倒ごとが、起こりし予感

路上にて歌、歌う人の熱情が、だんだんと冷める、都会の怖さ

抱かれると 焼けた鉄みたいだった人 東京の風に 冷めしその夢

人生に二度目の猛暑が来るならば三十過ぎたる気だるきこの刻

陽に焼けし細い腕には少女らの活発というしたたかさ

見え優しい人嫌味なだけだよ考えりゃ偉くなっても寂し気な彼



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