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団子の数は

 先日、川辺に倒れていた子供を拾った。
 行く宛ても帰る場所もないと言うので、里親が見つかるまで旅に同行させることにした。

 道中、茶店で団子を一皿注文した。
「ほれ、食べろ」
「…」
 拾った時からこうで、まず先には食べない。
 こちらが一本摘み上げると一本取る。一口食べると同じように一口食べる。
 さて、と俺は独言た。
 一皿に五本、一串に団子が三つ。
 きれいに分けると一個余る。口に突っ込んでやってもいいが…

 懐から布包の黒い石を取り出してみせた。
「最後の一個、上に乗せろ」
 怪訝な表情を浮かべつつ、子供が従う。
 と、石から小さな黒い腕が幾つも湧き出て、あっという間に団子を沈めた。
 目を丸くする子供に、俺は言った。

「お供えさね」 


 @Tw300ss  第62回  お題「余り」   ジャンル「オリジナル」

Twitter300字ss企画内にて個人的に連作チャレンジ中、今回2作目です。
よろしければ前作も覗いてみて下さい(´-`)

【前のお話:包みの中】
https://note.com/1_ten_5/n/n8861bcac146e