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1.5(イッテンゴ)
2022年4月3日 19:43
広い部屋の中を、紙飛行機が滑ってゆく。 天蓋付きのベッドから対面の壁に向かって真っ直ぐに。 そのままぶつかり、鼻面をひしゃげさせながら落下する。 壁沿いの床は、さしずめ紙飛行機の墓場だった。 床に散らばるそれらを片付けながら、執事が主に声を掛ける。「坊ちゃん、シシリー様から贈り物です」 応えはない。執事は構わず続けた。「今度は絶対に気に入る、とのことですよ」 広い部屋の中を、紙