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1.5(イッテンゴ)
2021年2月6日 22:40
あんな大人しい老竜に振り落とされるなんて、運の無い奴。 同期の嘲弄をベッドの上で聞く。 左足は元に戻らないそうだ。両の足で操る通常の騎竜に乗るのは、この先も不可能と言われた。「育者への道もある、気を落とさないで」 医者の取り成しが耳を滑る。「いよっ」 三日後、豪放に笑う飼育担当の学園教官が訪ねて来た。「育舎の白竜のだ。暇ならそれ、温っためてろや」 投げ渡されたのは、卵。