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読書ノート 「ペンローズのねじれた四次元」 竹内薫


 多分ここが一番の肝。

「相対論と量子論の申し子がスピノールと呼ばれる奇妙な数学的(かつ物理的)物体である。おおまかにはスピン1/2のスピノールがふたつ合わさるとスピン1の光子になるため、スピノールは、光の平方根だということができる。これは大きさがゼロ(!)のベクトルの平方根である。

 このスピノールをたくさん集めてネットワークにした「ペンローズのスピン網」が現実の時空構造と酷似していることがわかり、「時空はスピンから作られているのではないか」と言う推測が生まれた。この推測を推し進めて数学的に厳密なものにしたのが、いわゆるツイスターと言うしろもの。ツイスターは、光の平方根であるだけでなく、それを渦巻のようにねじってあるために、英語でねじったものと命名された」

「スピンは大きさゼロのベクトルの平方根である」


「時空の中にスピンという性質を持った素粒子がある」と考えるのではなく、「スピンという何やらわからぬ数学的性質が集まると、時空に見える」というのである。


「『どうして光は光速を超えられないの?』
という質問を耳にするが、むしろ、話は逆なのだ。光速で動いているという『過程』が最初にあって、それを人間が観測するための二次的な概念として『時空』が生まれるのである。つまり時空とは、すべての根源が『光速という過程』であるように認識するための概念的な道具にほかならないのだ」


プロティノスの世界に近づきつつあります。


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