見出し画像

サクッと日帰り 甲府ブルワリー紀行

5月後半〜6月の中旬まで、仕事が忙しくなったり、その現実味を薄めるために休日に予定を多めに入れたりで、もはや遠い過去のような感覚に陥る気もしますが、今年(2023年)のゴールデンウィークのお話です。

タイトルの通り、突発的かつ気軽めに企画・実行できる小旅行として甲府にあるブルワリー(ビールの醸造所)に行って、そこでしか飲めないビールを味わってきました。

行き先を選ぶ所から当日どうだったかまで、備忘録も兼ねて書いてみたので、ぶらりみを感じ取ってもらえたり、似たような遊びをしたいと思ってもらえる人がいれば、noteユーザー冥利に尽きます。

では…!

1.思い立ったが吉時

時はたしか…2023年の5/1。
カレンダー通りに休日がやってくる俺の背後にも、GWの気配を感じざるを得ない頃。
長めのGWを獲得している人がいくらか存在するらしき東京で、そんな人がいるとは思えないほど乗客が詰まった通勤電車内の俺は、この連休にいくつかの予定を入れているものの、前半の予定が割と空いていることに気づきました。

普段の俺なら(自宅で何もやることがないわけでもないし、まぁどうにでもなるだろ。)となるはずなのですが、その時の何故かバイタリティがにじみ出ていました。

よし、日帰りでどっか行くか。

2.スピード感のある行き先さがし

旅行好きで常日頃から出掛け先をストックしているようなタイプでもないので、そこからリサーチを始めます。

条件としてはこの4つ。

  • 近すぎず、無理なく日帰りで行ける。
    (近いと日常から離れられない気がするも、泊まるとたいそうな旅行っぽくなっちゃうので、気軽なプチイベントに留めたい)

  • 特急券や新幹線を使わずに行ける
    (制限つけて安旅にした方が面白そう)

  • できれば、乗り換えは少なくしたい
    (電車に揺られている間に、ボーッとしたり本を読んだりしたい)

  • 現地のブルワリーでビールと料理を味わえる
    (その場で考えた、移動する価値がありそうなこと)

仕事の合間や帰宅途中に色々と調べ、候補地が新宿駅から行きやすい隣県の2都市、甲府と前橋に絞られました。

そこからその2箇所について追加調査をした結果、

  • 全然行ったことがないし、こういう時に行かないと行かなそう

  • 駅から徒歩圏内にブルワリーが2軒ある

  • 行こうと思えばワイナリーもある

  • 行こうと思えば温泉もある

  • 比較的、空いていそう

などの理由から、行き先を山梨県の甲府に決定。
行きたい場所は見つけているし、当初の予定通りチケットの手配などは必要ないので、あとは翌日の仕事を駆け抜けつつ、体調をキープしてGWに突入するのみとなりました。

それでは当日の話へ移りましょう。

3.あとは行ったれ。小旅行当日

当日は、仕事の日よりも少しゆっくりめに起きまして、朝ごはんを食べてて出かける身支度をしている間に、洗濯機にひと稼働してもらい、洗濯物を干して出かけるほどの余裕は持てました。(休日の洗濯は一人暮らしの重要ミッションになりがち)

だらだらと電車に乗る

最寄駅から甲府までは、途中で乗り継ぎを挟みつつ2時間30~40分くらい。
下り方面だからか、途中からは席に座れたので、何年積んでいたかわからない小説を読みながら電車に揺られます。

中央線でのんびりと

GWで時間のある間に本を読む時間も取りたかったので、一石二鳥っぽさも感じながらのんびりと向かいます。

途中で同じ車両に家族で乗っていた5・6歳くらいの女の子が、すれ違う電車を見て「電車だ!!」とはしゃいでいました。(もしかしたらこの子は電車に乗っている意識がまだないのかもしれない)と思うと、ほっこりしましたね。鈍行でよかった。

そしてお昼前、小説がいい感じのセクション差し掛かったあたりで到着。

初めて甲府の地へ降り立ちます。駅は改札付近にお土産屋さんがありつつ、ワインが充実した酒屋さん(店内でも飲めるらしい)や、大きめの駅ビルもあり、活気がある様子。

駅の周りも賑やかなのかもなーと思いつつ、最初の目的地に向かうべく南口から外へ出ます。

すると…

駅を出てすぐの様子

人が少ない…!
これは穴場に来たぞ……!!(静かに歓喜)

とてつもなく晴れた暑い日だったからなのか、世の中的には連休なのに人影は少なく、見える範囲ではいくつかある"ほうとう"屋さんに短い列ができている程度。

GWだとどこに行っても混み合っている東京から離れた意義を感じる空気感でした。

そんなちょっとした浮かれ気分になりながら歩くこと10分ほど、商店街らしきエリアを抜けて1つめのブルワリーへと移動しました。

「Hops and Herbs(ホップス アンド ハーブズ)」

1軒目の目的地は、甲府駅の南側にあるHops and Herbs。
アーケードに面した1階が醸造所になっています。

醸造所も見放題
反射がすごい

その横にある階段(壁のイラストがかわいい)を昇って店内へ。

基本的には6種類の自家醸造ビールを出していて、プラスαで他のビールも作っている様子。

メニューにあったんで、頼んじゃいますよね。
6種飲み比べセット…!!

グラスが6つも並ぶ幸福感
色や泡のでき方の違いがわかりやすい

飲みながらそれぞれの味・感想をメモっていたので、そのまま貼っちゃいます。

(左から)

シンプルな味わい
マイルドさがありながらも、しっかりとした苦味がある


桃の酵母からか、爽やかで飲みやすい
匂いもフルーティー
 

口に含むと広がる香ばしさと苦味
後味はさっぱりしているので、食事との相性もよさそう
 

フルーティーさがある香り・味わいだが、それを凌駕する苦さ
両方がバチバチにやりあう、ビール好きが好みそうな味


こちらも桃の酵母
果物っぽさととろみを感じながらも、アルコール8%なので優しくは無い
晴れた外で飲むと美味さが引き立ちそう


めちゃくちゃ濃いスタウト
香りからチョコ・カカオの雰囲気を感じられる
後を引くゴリゴリの苦さ

どれも美味しかったですが、個人的には④と⑥のガツンと系が好みでした。

お昼時ということで、おつまみにピザを注文。
生地のふっくら感と香ばしさ(裏までしっかり焼けて)が両立していて、想像以上に美味しかったです。

ピザ越しのビール(飲みかけ)

追加で、さきほどの6種とは別のビールも飲みました。

「チャーリーブラウン」と名付けられたこのビール、茶色っぽい見た目のイメージ通りにまろやかな苦味と香ばしさがありつつ、鼻と上顎に抜ける爽やかな後味が特徴的でした。もしかすると、お店の名前にもあるハーブ系の香りだったのかもしれません。

飲み比べセットのおかげでかなり充実度を感じつつ、あまり飲みすぎると次のお店と帰りに響くので、(もうちょっと飲みたいな)という気持ちがあるくらいでお会計。

向かいにあったジャズバー的なお店の人形を横目に見ながらお店を後にしました。

2店舗目は駅を挟んで反対側にあるので、一度駅方面へ。
その途中にある甲府城跡も混み合ってはおらず、地元ファミリーらしきみなさんが芝生にブルーシートを広げて健康的な休日を過ごしていました。

芝生がいい感じ
高台に登ると、ちょっと田舎にきたように思える

ショーウインドウに懐かしのフルカウルミニ四駆たちが並ぶプラモ屋さんを眺めつつ…

住宅街の中にある2店舗目に到着。

マジで住宅街

「PERSONA BREWERY(ペルソナ ブルワリー)」

2軒目のペルソナブルワリーは、ちょうど居心地がいいサイズの小さなお店。
飲食スペースから扉を1つ隔てた所、俺が座った席の背後に醸造設備がありました。

振り返ると見える醸造設備

お店で飲めるビールは自家醸造のもののみ。

全体的にシャレた雰囲気のネーミング

フードは15種類ほどですが、メニュー名からもこだわり感じられるものが多く、ビール似合うように工夫されていそうなことが感じられて期待大…!

普段だと、1杯目のIPAは避けるのですが2軒目ということで「シトラの週末 Neo」と名付けられたIPAを注文。

爽やかさのある色

このビールは名前の通り、爽やかな風味と柑橘系の香りが…!
苦味はあるけれども、そこ本陣ははサッと引いて、グレープフルーツの様な空気感が残るので、そこまで苦く感じない印象。ビールの苦味というよりはグレープフルーツの果肉と周りにある白い所を一緒に食べた時のような苦味でした。

おつまみで、柑橘系のビールに合いそうな「ガパオトルティーヤ」も頼みました。

ちょい辛でビールが進む

1杯目のビールを堪能したあとは、別系統も飲みたいと思い、「真夜中のペルソナ」なる黒ビールを注文。

チョコも付いてきた

名前通りの黒。そして飲みやすい程度の重さ。
しかし、ビールを飲み込んだ後にほんのり広がる風味が、この上なくカカオ。

黒系のビールの味はチョコレートやカカオに例えられることが多いですが、真夜中のペルソナはこれまでに飲んだどの黒ビールよりもチョコっぽい。
ってことで、おまけで付いてきたチョコとももちろん合う。

2杯目と同じくらいに注文した唐揚げも、ジューシーながらクドさが無く、美味しいただきました。

竜田揚げっぽい衣がまた良き

地元の常連さんらしき人達が出入りする中、のんびりとビールと料理を味わい、翌週に会う酒飲み仲間へのお土産として瓶詰めされた自家醸造ビールを買って、お店を後にしました。

4.やり尽くしたので帰路へ

2軒のブルワリーでゆったりとビールを堪能し、満足した俺。

計画時に(行こうと思えば行けるな)と思っていたワイナリーや温泉のことなど忘れ、満足感を得てので帰路につくくことに。

西日が差す時間になってもやっぱり落ち着いている住宅街を10分ほど歩き、甲府駅へと戻ります。

電車が来るまでだいぶ余裕があったので、駅前にあるYATSUDOKIでソフトクリームを買ってべました。

お酒飲むと、アイスを食べたくなりません?

この写真でも分かる穴場っぷり。
どなたの像なのかはわかってません

お土産屋さんでちょろっと買い物をしつつ、往路と同じく鈍行に乗って最寄り駅へ。
空いている席に…と思っていると、ちょうどボックス席ばかりが空いていたため、堂々と座り読書を再開します。(ちなみに、人があまり増えなかったので、数駅分の相席を挟みつつもずっと座れました)

いい所まで読んでいた小説もしっかり読了し、カバンに忍ばせていたもう1冊の小説に切り替えるほどの読書タイム。

今思うと、眠くならずに本を読み続けていたのが不思議です。

というわけで、帰りもゆるりと過ごして21:00ごろに帰宅。
出発が9:00過ぎだったので、およそ12時間の小旅行(人によっては小が何個も付きそう)でした。

サクッと総括

突発的に計画→実行した休日でしたが、時間が短いわりに充実度の高い、密度を感じる1日でした。宿泊アリにしていたら、いくらか無駄な時間を過ごしてここまでの充実感はなかったかもしれません。時間の制約によるメリットを感じます。(つけようとしてつけた制約ではないのですが)

電車の中で読書時間が取れたことで、出かけなかった休日のような時間の使い方もでき、自分としてはかなりいい時間の使い方ができました。

交通費としても、新宿を起点とすると鈍行だと往復で4,000円ほど、特急を使っても8,000円ほどなので、休日のちょっとしたイベントとして楽しめる金額。

ちょっとした異日常のような時間の使い方をしてみたい、1人旅ビギナーにもちょうどいい休日だと思うので、電車で2時間ほどの小さな旅を試してみてください。

そんな時におすすめの行き先を知っている方はぜひ教えて下さい。

それじゃ、また。

ネタ元になりそうな本やコンテンツの購入に使わせていただきます。 気分が乗りましたら、投げ銭気分でよろしくお願いします。