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コント「愛の告白」

ナオキ(男)
「結婚を前提に、僕とお付き合いしてください!お願いします!」

マイ(女)
『ナオキさん…気持ちは嬉しいですけど、私たちはまだ知り合って1ヶ月たらず。デートも3回しかしてないですから』

ナオキ
「だから、まずはお付き合いをして、お互いのことを知りながら愛を深めていきたいんです」

マイ
『あなたは素敵な人ですし、お付き合いをすることは私としてもぜひお願いしたいです』

ナオキ
「やった!じゃあ…」

マイ
『でも』

ナオキ
「でも!?」

マイ
『あなたは【結婚を前提に】と言いました。ということは結婚をする為のクッションとして交際期間を設けて、世間的な手順を踏んでおきましょう。と提案したわけですよね』

ナオキ
「そんな手続き的なわけじゃ…、僕は本気でなんです」

マイ
『つまり、この提案を受け入れると、結婚まで直行するエスカレーターへ足を運ぶことになる。それには同意できません』

ナオキ
「……」

マイ
『私は、あなたとお付き合いしていく中で好きなことを知っていき、苦手なことを共有し、尊敬できる所を見つけ、ダメな所を許容していく中で愛を深め、王道デートを計画・実行したり、日常的な時間を共に過ごしたりしながら、身体の関係を重ね、何ヶ月かに1回は旅行で異日常から刺激をもらい、いくらかは同棲で互いの生活に溶け込んだ上で、あなたと結婚できたら…どれだけ幸せなことだろうと思うんです』

ナオキ
「僕との未来を…こんなにも考えてくれているなんて…!

マイ
『告白してくれて、とても嬉しいです。(ニコッ)』

ナオキ
「…ぼ、僕と!結婚を前提に同棲生活を送る前提に何度も旅行に行くことを前提に、身体の関係を重ねてください!!…ハァハァ」

マイ
『一息で言いきるのが難しいとはいえ、そこで区切ると変な感じになっちゃいますよ』

ナオキ
「そして、その前提で日常的な時間を過ごしたり王道デートを楽しんだりすることを前提にダメな所を許容しあう前提で、尊敬できる所を見つける前提で、苦手なことや好きなことを知ってもらう!前提で!僕とお付き合いしてください!!」

マイ
『…いや、ドミノじゃないんだから』

ナオキ
「へ?」

マイ
『結局、ドミノ倒し式に結婚の同意を求めちゃってるじゃないですか!こんなの、ただのプロポーズドミノですよ』

ナオキ
「プロポーズドミノ?」

マイ
『付き合うという最初の1枚が倒れたら次の【好きなことを知る】が倒れて、その次が倒れて、またその次…で最後の結婚が倒れる。ただ仕上がってるドミノ倒しでしかないんですよ。』

ナオキ
「いや、そういうわけじゃ…」

マイ
『そうなってしまっているんですよ。【結婚を前提にお付き合い】で2枚構成だったドミノの枚数が増えただけ。私は、あなたの2人で、1枚目のドミノを倒した後に、どんな大きさでどんな色の2枚目をどの方向に置くか、一緒に考えたいんです。』

ナオキ
「マイさん…!」


『さぁ…一緒に、目の前にある1枚目のドミノを倒しましょう…!』

ナオキ
「マイさん、あなたの事が好きです。僕とお付き合いしてください。」

マイ
『言えるじゃないですか!こちらこそ、よろしくお願いします!私をチェックメイトしたあなたと、2人で一緒に人生という名のモノポリーを攻略して、トランプタワーを1段ずつ作り上げていきたいです。』

ナオキ
「もうドミノに飽きてそうだけど、この先やっていけるかな……」



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