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ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』(2023)

2023年5月27日@博多座

作品紹介

1957年ブロードウェイ初演。『ウエストサイド物語』が同年初演だったがトニー賞最優秀ミュージカル賞ほか5部門受賞し大ヒット。2022年にはリバイバル上演でヒュー・ジャックマンが主演。日本での上演は13年ぶり。

歌&ダンスの見せ所が多い

物語は汽車の中からスタート。セールスマンが「ハロルド・ヒル」について話をするのだが、その曲がラップ風の曲で、オーケストラの演奏が無い中歌い出す。また、当時バーバーショップカルテットの人気があったこともあり、いつも意見が合わない教育委員会4人がカルテットを組み歌い出す。それもオーケストラの伴奏が無いときも多く、聴いていて心地良かった。
全体的に2拍子の行進曲のような軽快なリズ厶の曲が多かった。

また、歌がなくダンスのみのシーンも多かった(『ラ・ラ・ランド』のプラネタリウムのシーンのようなイメージ)。図書館のシーンは棚がくるくる回り、多方面から図書館を見ている仕掛けのように感じた。ダンスは他のミュージカルで無いような振付が多く、新鮮だった。

ハロルド・ヒル教授は人を不幸にしたのか

結論から言うと、リバーシティのみんなを幸せにした。

ハロルド・ヒルは詐欺師であり、街に来てそうそう「ビリヤード台は害悪だ(当時ビリヤードはギャンブルの要素が強かった)」と嘘をつき、楽譜は読めないのに「音楽院卒だ」と経歴も詐称し、マーチングバンドを作ろうとする。

しかし、頑固なリバーシティの住人はハロルドが来たことで少しずつ変化していく。マリアンの幼い弟ウィンスロップは内向的で吃音症があるが、ハロルドと接する内に心を次第に開くことができるようになった。

マリアンはハロルドが詐欺師だと気付きながらも、ハロルド・ニコルソン不利な証拠を隠滅し、次第に心惹かれるようになる。

そしていかにもブロードウェイらしいハッピーな結末を迎える。

詐欺、という手段は決して良いとは言えないが、ハロルドがきっかけで街が活気に溢れていく様は観ていて面白かった。よくあるシチュエーションではあるが、1957年に初演を迎えたと考えると、これが元になっているのでは、と思う。

日本では頻繁に上演されているわけではなく、出演者や演出も上演のたびに変わっているが、今年の『ザ・ミュージック・マン』に出会えて良かった。


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