ハズキルーペ:新章

「徹子の部屋」とか観てると、合間に入るCMは大抵が高齢者をターゲットにしたものだ。だからまあ、他人事としてぼおっと見てるわけだが、攻めてきたな、ハズキルーペ。

ここ1、2年くらいか、ハズキルーペはぐいぐいきてた。っていうか、それにしても「ハズキルーペ」っていう固有名詞は当たり前に通じるものなのか。簡単に言うと、メガネ型の拡大鏡だ。海南大附属の15番(名前忘れた)がつけてたやつっぽい。余計わかりにくくなってる気がする。

で、今までは石坂浩二やジュディオング、長谷川初範なんかが出てきて、新聞や本を読んだり、模型とかの趣味を楽しむ時にハズキルーペをつけて快適に過ごす様をアピールってのがハズキルーペの作戦だったわけだが、これが最新バージョンではガラッと変わった。明らかに大きな一歩を踏み込んでいる。

まず、CMキャラクターが舘ひろしである。やんちゃさの残り香をまとったダンディの代表であり、すでにハズキルーペにとっては刺激的なパートナーだ。さらに、シチュエーションがすごい。夜景の見える高級フレンチレストランみたいなとこで、娘と食事をする舘ひろし。ワインの年代を娘に聞かれた舘は、サッと胸元からハズキルーペを取り出し、装着。ハズキルーペで拡大されたワインのラベルが映し出される。

“BORDEUX 1995”

「お前が生まれた年だよ…」と、舘。ハズキルーペってこんなんだったっけ。公の場で、しかも中でもフォーマルな場でかけるという提案からして大胆だ。そして正直、そりゃ厳しい。老眼鏡じゃだめなのかとも思うが、それじゃあ不十分だからハズキルーペが登場したんだろうしなあ。まあでも、自らのこういう大胆に引きづられてデザインにも改良が施されていくんだろう。とにかく、ハズキルーペ攻めてきたな。その意気や良し、ってなもんだ。娘の方がハズキルーペを使う描写もあるし、こっちもいつまでも無関係じゃいられないかもしれない。来年の今頃には視界がハズキルーペで拡大されてる可能性もある。マジか。あるのか。

それと最後に、もう一つ今回のCMのすごいくだりを。窓の外に上がった花火の方を向こうと、舘の娘が軽く尻を上げて座りなおすと、一瞬の隙に椅子の上に出現したハズキルーペを尻で思いっきり潰してしまう。謝る娘に、自信満々に舘。

「だいじょぶだいじょぶ、日本製だし。」

っていうかハズキルーペ置いたのお前じゃねえのか、舘よ。マッチポンプ感がすごい。そして、そこまでして決めるほど「日本製」って言葉は必殺技でもねえんじゃねえか、もはや。やっぱ年齢層のギャップ感じるな。

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