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【五行知林の校正ざっかんこざこざ②】〈ぱたぱた校正自己流講座1〉


めくりあわせ校正が本来の名前かもしれませんが「あおり検版」「ぱたぱた」とかいう人もいました。なんでもいいですよね、呼び方は。


やり方は印刷会社のマニュアルビデオを見たことありますが、もっと早くやれるやり方はあると思いました。

還暦になりましたが、40代の頃はすごく早くできました。
まあ、「ぱたぱた」が向いてたんでしょうね。

参考にしたい人いるとは思えませんが、あえて自己流ですがこつを書いてみますね。

①右利きなら「見比べたい場所の左下のあたり」を基準点と考えて固定します。確認したいゲラと位置がぴったりと重なるようにします。版面の天側に向かってうちわで仰ぐようにします。

②基本は下側の旧版をあくまで元原稿として凝視しながら新しいカンプとの違いを感じ取るようにします。

③一字一字、文字情報を確認する必要があるときでも、画像データとしてとらえ、文字なども頭で音読しないようにします。あくまで画像として視るイメージ。読まないほうが早くできます。①の基準点を移動させながら、スピーディーに見比べていきます。

④腕や肩の力を抜いて手首をやわらかく使い、紙の重さを利用して下げるときは力を抜いてください。紙の重さ、重力を使い、手の力は抜きます。また上げるときはスナップを利かせて素早く上げます。

⑤紙の上半分が終わったら今度は左上を基準点に固定して版面地側に向けてうちわであおぐようにめくります。紙の重さに合わせて手のひらで軽く押していくともっと早くぱたぱたできます。リズミカルにやってみると手首も肩も疲れません。力を抜けないと紙が折れたり破れたりします。紙をやわらかく優しくかつ素早く扱います。

⑥慣れた人になると、ポイント、級のサイズが違っていても対応できるようになります。サイズが違うときは左下などの基準点の位置を少しずつ対角線にそってずらすように対応してみてください。あくまで画像データとしてみるように訓練できれば難なくできるはずです。

かつてこのぱたぱたを「失われていく技術だから」といって決して覚えようとしない編集者がいました。しかし、あれから何年たってもWebだろうがスマホだろうが、プリントアウトすればぱたぱたするだけで素早いチェックがいまだにできます。

校正技術を失われていく技術という考え方も非常に表面的な見方のように思います。

だれでもかんたんにすぐできるもんじゃなくて、ちゃんとしたぎじゅちゅだよね。校正ってさ。

本質とらえてない人に校正技術の価値をどうのと言ったところで無駄でしょうけどね。

あら、ちょっと辛辣でしたか。
まあ、許してね。

紙じゃなくても照合の技術ってやっぱり差が出るので、若手の校正のみなさん、はったりやいいがかりに負けないでくださいね~。「校正の仕事はいずれなくなる」とかいう妄言を真に受けないようにね~。

日本の校正者の方々、心の底から応援してます。かんれきだってがんばるぞ~。

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