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歳を重ねるたび、何かを無くしてる気がします

春ですね。
さくらが咲き始めるのを見ると、あーもうこの季節かと何度も思います。

今では、ワクワクした感情は薄れ、
また一年が始まり、すごいスピードで終わっていくという切ない感情の方が強くなっています。

昔、わたしは家の庭に咲いている花を見て
四季を感じて
いろんなことを考えることが好きでした。

わたしの母は花が大好きだったので
よくお花屋さんに連れて行ってもらい、
色とりどりの花を一緒に眺めていました。

春になれば、チューリップやスミレ、ハルジオンが顔を出し、色づいた庭と暖かな春風が心地よくて、ずっと外で花をながめていました。

夏になれば、セミと共に黄色いヒマワリが顔を出して、朝こっちを向いていなかったヒマワリが、夕方こちらを向いている様子を見て1日の終わりを感じました。


秋になれば道端に落ちた金木犀から香るいい匂いに少し気分が落ち着いて、その先に咲いている彼岸花を見て少しセンチメンタルな気分になりました。

冬になれば赤いシクラメンがクリスマスを告げて、庭に咲いた椿に冬の寂しさを感じていました。

そして、春になる前、まだ冬の寒さが残る1、2月にはわたしの大好きなクロッカスが庭に一輪咲きます。

綺麗なオレンジ色の花で
戯れることもなく、凛と咲くクロッカスの姿に、当時、受験生にも関わらず、全く成績が上がらず落ち込んでいたわたしを元気づけてくれました。

今のわたしはもう毎日学校に行くわけでもなく、行くとしたらバイト先くらいで
日々人に囲まれ、揉まれ、生きています。

その度に色んな刺激をもらいますが、
なんだか何かがどんどん無くなっている、というより、薄れている気がしています。

小さな気づきや幸せや
目に映るものがなんだかとても少なくなっているそんな気がします

空や
夜景などは
大きすぎていやでも目につきますが、
道端に咲いている小さな命には
もう気づかなくなってしまいました


小学生の頃、
下ばっかり向いて登下校していたわたしに
父が
「下ばっかり向いてたら、塀の上に寝てる猫も見逃してしまうよ」と言いました。


前ばっかり見て、見えるものもあれば、見えないものもあるとわたしは思っています。


塔上あかめ

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