まさしくんの話
Tinderでこんなにプラトニックな恋愛が存在するのか、そう思ったのもつかの間気になった人に彼女がいた。
知らなかった私は浮気女の称号を手に入れた。
挙句の果てには私の職場にカップル2人で来店。
Tinderで「まさしくん」という服飾学生のおとこのこと出会った。ちなみに、フリック入力では「おとこのこ」は全部下だ。
絵やカレーの話で盛り上がり、年下の可愛さに目覚めた。
最初あった時は喫茶店でお互いの似顔絵を描き、私のお気に入りの絵をあげた。今となってはTシャツにする程気に入っているので返却求む。
その後2人で観葉植物を買った。別々の種類を買い、大きくなったら株分けをしようと意気込んだ。その時買った「ジュエルオーキッド」は茎の途中でもげた。
2回目会った時はまさしくんの友達と3人で遊んだ。
昼飲みをして3人で煙草を吸いまくった後に、サンドイッチを買い井の頭公園の手漕ぎボートの上で食べた。夜は酒を買って満喫で飲んだ。友達が席を外した隙に、まさしくんと軽い接吻をした。ロマンチック。
その後解散をして、酔った私は終電高尾山駅で起きて絶望した。
私としては珍しいプラトニックな関係と日々のLINEで、日常の彩度は上がり高揚に満たされた。
されど、LINEは来なくなった。
されどされど、私はネットストーカー。
日々インスタを知人含め調べると、まさしくんはYouTuberデビューをしていた。
好きな人から推しに強制変更。
見るとコムドットに影響されたであろう地元ノリYouTubeだ。見ていたら、浮気をして彼女に怒られたと喋っている。
今度は推しから浮気女に強制変更。関わるとろくな事が無さそうなので、もう手を引こう。
そう考えた数日後、私の職場に彼女とまさしくんが来店。
「店長の着てるTシャツってみんな着てるものなんですか。この間店長が休みの時に男性が着てましたよ。」
私の自作Tシャツを持ってる人はまさしくんしかいない。バイトに事情を話すと、彼女と一緒にいたらしく私の顔を拝もうとしたらしい。好戦的な彼女だ。
それを期にもう連絡を取ってなければ、店に来ることも無くなった。
彼女もYouTubeをしていたが、彼氏同様で有名YouTuberの模造品でオリジナルに欠けたごっこ遊びだ。これ以上他人の不幸を増やさない為にも、2人だけの世界で生きてください。
もうYouTubeは更新すらしていない。
私はいつになったら人間不信になるのだろうか。
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