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服の話

服を買いに行けない私は、人から貰った服で生活をしている。
元カレ達、今はもう会えない友達、母の友達の娘のニートギャル、母、服を買いすぎる友達。

こうなるとジャンルもクソもない。
自分で唯一嬉々として買った服は赤い太極拳服。
コスプレじゃないか。



基本的に店員さんと話せない。
知らない人と目を合わせられない。
友達と買物に行った際は、友達の顔を見て店員さんと話すので、さながら翻訳家を携えるVIP外人だ。


1人で意を決して服屋に入った時は、2時間彷徨いて吐き気と頭痛に悩まされた。
人見知りにも優しい店員さんがいたので、お礼と賛辞をルミネに送ったら、「ブランドに公開する」というチェック項目をつけ忘れた。
間抜けなので、店員さんに感謝が届かない。
あの時は有難うございます。選んでくれたデート服は可愛いと褒められ、無事に振られてセックスしました。



当時付き合ってた彼氏たち皆から何故か服を貰えた。
彼氏というものは彼女に服をあげたくなるのか、はたまた私の乞食精神がそうさせるのか。
教えてください。後者の場合は才能として古着屋を始めます。


変な外人の顔面プリントTシャツ。
先輩がくれた刺繍ワイシャツ。
薄すぎる水色のパーカー。
ヴィヴィアンの鶏Tシャツ。
誕生日プレゼントの茶色の上下。
若い時の水色ワンピース。
私にサイズぴったりの黒と白のズボン。
ノーブラでも大丈夫厚手パーカー。とかとか。



服をくれたほとんどの人はもう会わない。
まるで遺物を纏ってるよう。
楽しかった記憶だけが服には残る。
物じゃなくて、思い出を着ているので毎日気分が良い。



今は着られないがお気に入りだった服をあげる勇気と勢いで出来上がった私の格好。
たまに雰囲気が違う日は誰からの服と、聞いてみてください。

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