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今、アップルに注目すべき理由:エッジAIとエンドポイントAI

今日のAI相場において、アップル(AAPL)は他の企業と比べて出遅れている印象を投資家に与えていると思います。しかし、筆者は今アップルの動向に注目しておくべきだと考えています。この記事では、アップルになぜ注目するべきなのかについて考察していきます。

そのために、今話題になっているクラウドAIではなく、エッジAIエンドポイントAIについて理解する必要があります。
※Chat GPTはクラウドAIにあたります。

エッジAIとは

クラウドAIと比較して、エッジAIはデータ処理をデバイス側で行うため、リアルタイム処理の高速化、通信費の節約、プライバシー保護の強化などのメリットがあります。
具体例としては、監視カメラやスマート工場(IOT)があります。

エンドポイントAIとは

インターネットに接続しない比較的低性能な機器でAIを実現します。エンドポイントAIはエッジデバイスを介してインターネット接続を必要とする場合もありますが、主に端末側だけでAIの処理を完結させることが特徴です。この技術は、データ量が圧倒的に少なくなり、プライバシー保護の向上や通信費の削減に有利です。
具体例としては、医療デバイスやウェアラブルデバイスがあります。

クラウドAIとエッジAIとエンドポイントAIの違い

・クラウドAI
データセンターやクラウド上でデータ処理を行い、高い計算能力を利用できますが、通信遅延が発生することがあります。クラウドに全てのデータをアップロードするため、データプライバシーにはリスクが伴います。

・エッジAI
インターネット接続された高性能機器上でローカルにAIを実行し、クラウドAIに比べれば、低遅延での処理が可能で、データプライバシーのリスクは軽減できます。

・エンドポイントAI
インターネットに接続しない低性能機器でAIを実現し、エッジAIよりもさらに低遅延とデータプライバシーの保護を実現します。しかし、AI処理が可能なチップを製品端末に実装する必要があったり、端末では筐体サイズの制約を受け、バッテリー駆動の製品では電力を抑える必要があったりします。

エッジAIやエンドポイントAIは、ユーザーがクローズドな環境でデータを扱うことにより、アウトプットするデータを純度が高いデータ(ノイズが少なく特定の目的に直接役立つ情報)にすることができます。クラウドAIよりも物理的にも感覚的にもユーザーに近い存在です。

これからのアップルに期待できる理由

アップルがiPhone、Apple Watch、MacBook、Vision Proなどのデバイスにさらに進化したAIを組み込むことで、ユーザー体験を大幅に向上させるチャンスがあります。これらのデバイスが日常生活で活用されることを考えると、AIを活用してパーソナライズされたサービスや機能を提供できる点に期待できます。
例えば、健康管理から生産性向上ツールまで個々のユーザーのニーズに応じて、よりインテリジェントな対応が可能になります。

まとめ

今日のAIバブルにおいては、エヌビディアの高額なGPUが特に注目されています。
しかし、これからのAIの活躍を想像すると、より安い半導体を使って、それぞれのユーザーに特化したAIを活用することが増えてくると思います。
その観点から、ユーザーに密接したサービスを多く提供している企業に注目するべきです。(マイクロソフトもアルファベットもユーザーとの接点が多いと言えます。)アップルの製品やサービスはすでに世界中のユーザーを抱えているため、AIを使ったビジネスのチャンスは無数にあると考えられます。

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