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新たなカルチャーとの出会いを。
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2020年8月の記事一覧

#06 その人はステージで汚れたスニーカーを履いていた

特にこれといってこだわりがない。 デザイナーなのに服にそこまで興味がなくて、黒いTシャツを3着買ってそれを着まわして会社に行っていた。3週間くらい経った時、上司に呼び出された。「デザイナーなんだから、もっとオシャレして会社に来なさい。」と怒られた。あんまり納得できなくて、 「お金と服のリストもらったらすぐに買いに行きますよ」 と言ったら、もっと怒られた。 と言うのもボクは昔から服屋から遠ざかってきた。ショッピングモールの中にあるアパレル店のあの独特の「オシャレさんいら

#05 松本人志を見ると胸がヒリヒリする

他人から教わらなくても人は笑う。 ヒトと笑いは密接に絡み合い、笑うと細胞が活性化し、健康になるなんていう話も聞いたことがある。 そんなことを聞いてしまうと、衣食住の3つに「笑」も入れていいんじゃないかと思ってしまう。 中学2年生のとき、僕はつまづいた。クラスの皆から相手にされなかった。話しかけても返事がこなかった。当時のボクは教室の壁に刺さる押しピンだった。皆が見ているはずなのに、誰も気にとめない。押しピンは喋らないし、笑わない。どこにも遊びに行かない。ただボーッとそこ

#04 鬼が見ている

顔が角張っていて、エラが張っている。歌が下手。話が面白くない。他人に興味がない。ファッションセンスが無いから、通年同じような服を着ている。どんな女性と付き合っても、幸せにできない。どこの会社に行っても通用しない。 僕が実際に言われた言葉の数々だ。 だけど、僕の顔を好きだと言ってくれた人もいた。綺麗な歌だね。一緒にいて幸せだよと言ってくれる人も少なからず、いた。 ある人から見ればマイナスなところも、別の人にはプラスに感じることもある。決して、一人の視点から発せられる言葉を

#03 ヤンチャなことなんかなかった、僕の不格好な青春

僕の中学校はすごく荒れていた。 月に一度、窓ガラスは割れるし休み時間の校庭にはタバコの吸い殻が落ちていた。制服を改造した男の子は学ランのボタンを全て開け、女の子の髪の毛は金色だった。 僕たちは目立たないように学校生活を送った。放課後には部活に励み、定期テストにはしっかりのぞんだ。中学二年生のときには親に反抗してみたし、門限を破って怒られたりした。 久しぶりに地元の友達と会うと、その当時に戻る。 あの娘が可愛かった、あのときは焦った、面白かった。 やんちゃなことなんて

#02 好きに理由なんていらないよね

「なんで好きなんでしょうね~」 コンビニでバイトをしていた時、よく一緒になる女の子がいた。その子は17歳年上の店舗マネージャーと付きあっていた。女の子は20歳。彼女はおじさんとばかり付き合っていた。元カレは15歳年上の塾講師だそう。びっくり。 「おじさんの魅力ってなんなん?」 と聞くと、冒頭のセリフ。 「なんで好きなんでしょうね〜」 分からないそうだ。フェチなのか、なんなのか。 よく考えるとボクの知り合いにバンドマンばかりと付き合う子、ぽっちゃりな男の子とばかりと付

#01 土曜日深夜1:00があるから生きていける

毎週土曜日が2年以上楽しみ。オールナイトニッポンでオードリーがラジオをやっているから。 2人の会話がとても心地よい。 部室でバカなことをする同級生をはたから見て、一緒に笑っているような心地よさがする。 2人は誰も一人にしない。 20年暮らした土地を離れ、慣れない会社員生活。家に帰ればでサッポロ一番をすする夜。土曜日深夜に2人は僕を訪ねて家に来る(ような気がする)。 年を重ねて知らない間にかっこつけてきた。 色んな友達が離れていった。日々の心の傷を慰めてほしいわけじ