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【症例3】腰痛と坐骨周囲の痺れ

【年齢/性別】70代/男性
【主訴】両側の腰痛(右<左)両坐骨周囲の痺れ 
【現状】歩く時痛みがある お尻の痺れは常にある
【希望】痛みがない生活を送りたい

【バックボーン】
右側に腰椎ヘルニアが少しあるも、OPEはしなくてOK
両膝痛がありヒアルロン酸注射を打ったことがある
左足部(甲側)を打撲


【評価(関係のある問題点のみ記載)】
腰椎右回旋/右側屈(L4-L5)
L4/L5間の椎間板圧迫
骨盤右回旋(右腸骨後傾)
下部胸郭左回旋
左距腿関節背屈制限+左第一列底屈制限(MTJ早期ロック)
歩行:左立脚中期〜後期にかけて股関節の過外旋+ 左下肢へ荷重が乗ってない印象

【施術(全て徒手療法で実施)】
①腰部椎間板と椎間関節(L4-L5)
バトソン静脈叢の調整からL4-L5の椎間板に水を入れ、椎間関節の脂肪体のインピンジメントの負荷を軽減。
この時点で痛みが8割軽減。両坐骨周囲の痺れ残存。

②右腸骨
右腸骨を前傾にし、後仙腸靱帯を緩めました。
両坐骨周囲の痺れ消失。

③左距腿関節と左横足根関節
左長母趾屈筋をアプローチし、距骨の後方移動をスムーズに。
左横足根関節のモビリティーをあげ、左第一列を底屈へ。
歩行改善。左下肢への荷重UP。腰痛消失(歩行時も含め)。

【ここでのポイント】
なぜ下肢をアプローチ?→下部胸郭が左回旋していたため、右腰への負荷はがない可能性がありました。そのため、下肢からアプローチを実施。

なぜ左腸骨ではなく右腸骨にアプローチ?
→右腸骨が後傾して後仙腸靱帯が張っていたため、優先的に右をアプローチしました。過去の臨床経験則から後仙腸靱帯が張っていたら下肢の痺れ(おそらく関連痛?)があったため、腰をアプローチして痺れが取れなかったため、右の後仙腸靱帯をターゲットとしたためです。

長母指屈筋と距腿関節の関係は?
→長母趾屈筋は距骨の真裏(距骨に長母趾屈筋が通る溝)を通るため、長母趾屈筋が硬いと距腿関節の背屈制限を引き起こします。さらに、この方は横足根関節の背屈制限があったため、第一列の底屈が不足して母趾の背屈制限を作っていました。母趾の背屈制限は長母趾屈筋の硬さを引き起こしますので、横側足関節もアプローチしました。

【感想】
腰や骨盤などの局所的な部分だけでなく、全体的にも身体をアプローチすることで改善できた症例です。

 
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