【小説】消えゆく彼らの純真を、僕らはオワコンとせせら笑う(12)
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翌日、スポーツ東美の記者全員が編集局に集合した。昨日、取材前に必ず本社に顔を出すようにとの連絡があったからだ。初めて顔を合わす記者もいた。ワンフロア丸々の大部屋が、いつもより狭く感じられる。
大部屋窓際の中央に位置するのは、北方編集局長の机だ。いつも親会社の東美新聞社との往復を続けているから、あまり顔を見たことがない。いたとしても第一局に顔を出すことが大半で、俺は初日を除いて話しかけられたことすら