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たくさん説教された話を書いたらそれ以上にヤバイことが見つかった話【小学生時代の記憶を28歳の自分が考察してみた㉒】

宣言が解除されて職場復帰したものの、自粛前の3倍疲れてほぼ家でのコマンドが「たべる」と「ねる」に制限されてしまっています。なかやです。

前回はある日突然教室内が異臭に包まれた怪事件を書かせてもらいました。一言でいうなら犯人はヤスという感じでしたね。迷宮なしの名探偵の僕としても、もうこんな怪事件には遭遇したくないと思います。

本編に入ります。ある日給食を食べていると、
ターミネーター2のT-1000みたいな雰囲気で子どもたちから
恐れられていた山口先生が僕のクラスにやって来ました。

みんなが少しどよめいていると次のように切り出しました。

「なかや君は居ますか?」

僕は死を直感しました。このタイミングでこの先生が名指しでやってくる、これは明らかに劇的にヤバい状況でしかありませんでした。僕が教室から出ると、先生は次のような質問をしてきました。

「昨日、自転車に乗りましたか?」

「3日以内に・・・」

「1週間以内に・・・」

これらの全ての質問に僕が「いいえ」と答えたので、当てが外れた感じで

「じゃぁ一度も今の期間で自転車に乗ったことは無いんですね?」

「通学中ですよね?」

「そんなわけないでしょう。それは当たり前です。」

そう、僕はこの山口先生に呼び出されてテンパりすぎていました。その挙句、駅から自宅なども含めて自転車通学を
禁止されている学校で、通学中に自転車に乗ったかどうかを聞いているという、とてつもなくよく分からない勘違いをして先生をイラつかせてしまったのです。
本当に昔から要領が悪すぎて泣けてきます。そして、昨日自転車に乗ってたことをすぐに認めました。続けて質問が飛んできます。

「昨日自転車に乗って、〇時ごろ地区の子と一緒に居ましたね?」

「はい」

そう答えると同時に、僕の頭には一気に昨日の記憶がフラッシュバックしました。

僕はこの当時、スイミングスクールに通っていました。地元の友達のショウくんと一緒に自転車で通っていたのですが、ある日、踏切に遭遇しました。ちょっと遅めに家を出たこともあり焦っていた僕は、音はなっていましたが、遮断機がまだ下りていなかったため、急いで通過しました。僕の後ろでショウくんが「止まれぇー!」と叫んでいましたが、その時には止まることが出来ないスピードで踏切に進入していたため、そのままつっ切るしか出来ませんでした。結局、踏切を渡ったすぐの所でショウくんを待ち、そのままスイミングに行って帰りました。

案の定、悪い予感は的中するもので内容はドンピシャでした。その様子を警察の人が見ており、数珠つなぎで僕までたどり着いたということでした。ほどなくして、僕はT-1000に副校長室に連れていかれました。副校長室に入ると、身長180センチはあろう大柄で、多分ヅラの副校長がそこにはいました。どちらかというとT-1000より、この副校長の方が怒っていました。この後、僕と30センチと離れていない距離に立った副校長にめちゃくちゃたくさん怒られたと思うのですが、正直ほとんど内容は覚えていません。学校の名前に傷をつけるなみたいなことを言っていたような気がします。

家に帰ると、当然母親にも連絡がいっており、改めて叱られました。僕はそのとき謎に「母親が遮断機下りてなかったら急いで行ったら良いと言っていた」という言い訳をするのですが、そんなことは一度も言っていないと完全に否定されました。何故か知らないですが腑に落ちなかったのを憶えています。しかし、腑に落ちないなりに、その後は当たり前ですが遮断機が下りていないからと言って突っ切るといった行為は今まで一度もしていません。

ここまでが僕の「踏切事件」の体験なのですが、僕自身書き終わった後に、違和感が残りました。「なんか微妙やな」「なんか気持ち悪いな」と。初めは分かりませんでしたが、何回か読み返してやっとその答えが分かりました。

その理由は、

「T-1000に呼び出された所で感情のピークがやってきている」

ことです。詳しく説明すると、T-1000に呼び出されたときには質問の意味をテンパって勘違いしていました。このことから「何かとんでもないことを自分はしたに違いない」「ヤバいどうしよう」などと言った感情が僕の中に渦巻いているのを感じ取ることが出来ます。

しかし、事の真相が明らかになった後、副校長室に連れていかれて以降は気持ちとしてはダイジェストというか、明らかに冷めた印象を受けます。実際、「距離が近いな」とか「ヅラだな」とかそんなことばかりに頭が行って怒られている内容がほとんど入ってきていないのがその証拠だと思います。それに付け加えて母親にその件で叱られているときにも謎の言い訳をこの期に及んで始める始末です。つまり、何が言いたいかと言うと、

当時の僕に、全く罪の意識が無いのです。

これだけ色んな大人に説教をされた上で、罪の意識を当時の僕から感じることが出来ない。これが僕の感じた「違和感」の正体だったのです。もっとさかのぼるなら、ショウくんが大声で「止まれぇー!」と言ったときにも何でそんなことを言うのか理解しようともしていなかった可能性もあります。

まだまだ未熟すぎる小学生の僕が、教師や親という大人からほぼ100%間違っていることを指摘されているにも関わらず、自分の中では「何が悪いの?」とふんぞり返っているその傲慢さこそがこの話の本質でした。その後の行動は変わっていますが、あくまで「そこまで言うなら合わせてやろう」という上から目線な行動の変化とも見えます。

これは、この記事を書くことが出来なければ絶対に一生気づくことが無かったであろう発見なので、本当にこのシリーズを書いていてよかったと思います。それと同時に、こんな自分が顔を出したとき、きちんと諫められる自分でありたいなと思います。それでは今日のおさらいです。

・昼休みにターミネーター2のT-1000みたいな先生に呼び出される。

・内容は踏切の信号無視で、副校長や親にも説教を食らう。

・全体の内容に書きながら違和感を覚える現在の僕。

・当時の僕が全く罪の意識ももたず、内心ナメた態度でこの件を処理していたという事実に気付く。

といった感じです。実際自分が表面上の記憶で覚えている事柄でも実際に書いてみると本質は全然違う所にあるということがあるというのは今まで経験したことが無かったのでかなり有意義なものとなったと思います。更新も遅れた上に長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。これからも気長に読んでいただけると嬉しいです。

もし、とても面白かったり感動したり大きく心を動かされた方はスタンディングオベーションの代わりにサポートをしていただけると嬉しいです!「なかやのこと応援してるよ!」を形にしたい場合にも是非!(こっちがメイン)