薬制薬事の雑記(4) おもしろ通牒:「まむしの黒焼」の医薬品製造許可??

これを見て欲しい...

黒焼とは、黒焼、蒸焼、電気焼を総称し、これらを単味のまま用いるもの及びこれらを有効成分とする製剤をいう。

現行の薬事法施行以来、公定書外医薬品としての黒焼の製造許可申請は数十件に及んだが、その申請内容はいずれも従来黒焼が医薬品として許可申請したにも拘わらず不許可となつた当時の内容と全く同様であつて、単に民間伝承の所謂黒焼の効能等をそのまま申請書に写したに過ぎず、なんら黒焼の成分本質効能等に関して客観性のある科学的な調査研究がなされていないので、このように医薬品製造業許可申請の基本的必須具備要件を欠く申請は、許可審査の対象となり得ないからこれを却下したこと。従つて将来もこれらの基本的要件がととのえられるまでは、医薬品としての黒焼の許可はあり得ないこと
昭和24年9月14日 発薬第118号「黒焼の製造許可申請について」

ここでいう現行薬事法というのは、1948(昭和23)年制定の薬事法のことでしょう。

つまり70年前くらいの日本の製薬産業はこんなレベルだったということなんでしょう。

そう考えると今の地位は凄いですよね...

ちなみに引用元は、横浜地方検察庁が厚生省に「まむし、しま蛇の黒焼は医薬品として製造許可されているのか?」と問い合わせたのに対して、過去の通牒を引用しているものです。

薬制的にはその下の医薬品該当性の方が面白いかもしれませんが。

ここで言われている製造許可というのは、今でいうところの製造販売承認ですね。

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