後編『うちからしかみえない』

前回まであらすじ~

ぼっちで、オタクで、こじらせまくった人がマキシマムザホルモンのライヴの抽選に当たってしまい、16年越しのライヴへ足を運ぶことに。
普段からフェスやワンマンライヴに行き慣れている腹ペコ(マキシマムザホルモンのファンの俗称)と違って、今回初のライヴ参戦となって生きて帰って来れるのか!?

(とりあえず、実家に買っていたCDがあるから聴き直そう…)

音源を聴いては曲解説を読んで、【予襲復襲】の漫画やインタビュー記事を読んでは、Deka Vs Deka 〜デカ対デカ〜を視聴し直して。ライヴまでの日が迫っている中、内心思っていたことは

(腹ペコに殺されるんじゃないか???)


 


ライヴ映像を観ていても、相当ヤバい。

そんな謎の戦慄を覚えながら、前日となっていきました。

ぼっちはその日もX(旧:Twitter)を眺めていると、明日の普通絵図に足を運ぶであろう人たちのポストを見つけ、

(まさか、コミケのように始発組がいるのか…!?)

コミケ(コミックマーケット(Comic Market、略称:コミケ、コミケット)の略。年2回の開催で、夏は8月、冬は12月に開催されるコミックマーケット準備会が主催する世界最大の同人誌即売会)に足を運んでいた始発組経験者であるオタクは謎の血が騒いだ瞬間。

(そんな人たちがいたらグッズとか買えないんじゃ…??)

当日は早めに出発して、開催地であるなんばhatch
9時30分ぐらいには到着しておくか…




コミケか!!!!!!!!!!!!!

いや、まだ暑さもカンカン照りの9月の待機列でこれって…

会場スタッフさんA「最後尾札持ってくるわー」

会場スタッフさんB「コミケスタイルでいく?」

やっぱり、コミケやないか!!!!!!


というX(旧:Twitter)でもやったくだりをこちらでも。

そんな待機列に並びながらも、無事にグッズも買えたりして、いよいよライヴの時間。

最近体も鍛えてるし、真ん中の位置前の方に行ってやる!!

と気合入れていった結果、

死ぬ!!!!

またまた大袈裟なんだからとこの記事を読んでいるホルモンライヴ未経験者へ。

死ぬ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


人と人がぶつかり合う衝突、

人が一か所に集まることによって起こる圧、

人が密集することによって起こる熱、

全てが同時に襲い掛かってくる感覚でほぼほぼ動けない。

ただ、現地でその時間を過ごした自分として意外だったのは、

(あれ?もしかして、全員同じ動きしてるから怪我しない?)

ヘッドバンキング(: 主にロック、ヘヴィメタル、ハードコアなどのギグ、ライヴコンサートで見られる共鳴的動作の一つ。 リズムに合わせて、頭を激しく上下に振る動作である。 しばしば略してヘドバンとも呼ばれる。)

している時も全員同じ動きをするから、頭と頭がぶつかることもなく。
前の人の肩をつかんだり、ぶつからないようにもしているし…
と激しいライヴの中で「なるほど」と思いながらも、

途中で眼鏡が吹っ飛んだ人がいました。

眼鏡がないともしかしたら、ライヴを観ることが出来ない人かもしれない。と思った自分は、自分以外にも探している人と協力して、その近辺を捜索。激しい人たちがそこに入らないように手でガードしながら、結構な時間探したけども見つからなかった。

今でもその時の罪悪感があった。やっと来ることのできたライヴで見ることが出来なかったらとても悔しいし、悲しいだろうなっと。

いや、待て待て。
自己責任でここに来ているのだからという気持ちもあった。
激しいライヴになるのは事前に明らかに分かるし、
運営もそれを促している。

それでも、前半も読んだ方なら。
ここに来るまでの苦労や感動が伝わっているかもしれない。
やっと。やっと来ることが出来たライヴ。

でも、若い感性の時に、好きなものを周囲に馬鹿にされて。
悔しかった。好きなものを好きと言って何がダメなんだっと。
その期間が長かった分、ようやくここに来ることが出来た自分は

腹ペコは仲間であり、友達であり、家族。

という意識があった。
ただライヴを観に来るタイミングが一緒だった人、でなかった。
だから、困っていたら助けてあげたい気持ちがあったかもしれない。

そして、『鬱くしき人々のうた』のとき、
人生で初めてダイブ( ライブ用語としての「ダイブ」とは、アーティストの演奏に熱狂した観客が、なんらかの方法で他の観客の上に飛び乗る行為です。 ダイブをする人は「ダイバー」)をやろうと思ったのも、
今まで会ったことのない人たちを信頼して、

「任せたぜ!!お前ら!!!!←言ってない」

といった感じなので、この人たちならいける!!と信頼していきました。

「よし、いってこい!!!←言ってない」

という気持ちが送り出す手、皆さんの表情から伝わってきました。
皆で楽しもうというのが熱狂的な腹ペコから伝わってきましたし、
自分もそれを伝えたいと思いました。

そして、ライヴも終わりに差し掛かったとき。

恋のスペルマのintroが流れて、

真ん中前方の方で、
体型がふくよかな体格大きめの方が足を抑えながら倒れて。

見た瞬間は何が起きたか分からず、
とにかく人が密集していたところなので気付いた人たちで取り囲み、
その場から一緒に横移動して、スタッフさんにお願いしました。

こうして、人生で初めてのライヴ『普通絵図』は幕を閉じたのでした。

後日。

X(旧:Twitter)で、
恋のスペルマの時に倒れご迷惑をおかけしたので感謝を伝えたいポストが回ってきました。

本当に良かった。
あの時した行動は間違いじゃなかった。
でも、それは特別なことでもなんでもなく。

だって、友達が困っていたら助けるでしょ?

と思うのです。

コミュニティの内側にいるから仲間意識が強い?
と思った人もいるかもしれない。

でも、この景色はうちからしかみえないし、
DVDや動画で感じることが絶対に出来ないと今も思います。





*最後に出てきた方(りゅうたさん)とはX(旧:Twitter)を通してこの件に関してご挨拶できました。

SpecialThanks
マキシマム ザ ホルモン
腹ペコの方々(特にライヴ後に絡んだまさひろさん、てんてんさん)
ライヴ前にライヴについて指南してくださったコジーナさん


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