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「ちゃんとホテルに泊まる」という体験価値について。 [西新宿:THE KNOT TOKYO Shinjuku]

旅をする時のプライオリティに、「宿泊先」という選択肢が含まれない人生をおくってきた。

もちろん、清潔感があって、最低限暮らすのに必要なものが揃っていれば言うことないのだけれど、どちらかと言うと、静かに寝れればそれで良い、という旅の仕方が多かった。極貧(でもないかもだけど…)バックパッカー歴が長くて、ゆっくり宿泊するより、インターネットで情報を探したり、危なくないギリギリの時間まで出歩いたり。そんな旅の仕方から、少しずつ価値観が変わってきたタイミング、というのがこれまででおそらく2度ほどあった。

ひとつは旅好きの友人の影響。彼女も基本的には若い頃からバックパッカーで、安宿を渡り歩く経験も豊富。けれど、長めの旅程の中で、一箇所はゴージャスなホテルに泊まり、ふかふかの広いベッドでひたすら寝てフルーツを貪ったり、ルーフトップバーで夜風にあたって高層階から街の全景を見るのだ、と教えてもらったこと。なるほど、と一緒に行った旅はとても楽しかった。一人ではできない経験、というものに震えて、ちょっとした贅沢な時間を自分でつくることの喜びを知った。
それから奮発して泊まって一番印象に残っているのは、ポートランドのAce Hotel。言わずと知れたAce Hotel系列だけど、この価格帯を一人で利用することがなかったので、いざ宿泊するときはとにかくドキドキした…。しかも超オシャレときた。今年、ついに京都にも系列ホテルが出来るらしいので、のぞけたら良いな。

もう一つは、相変わらず節約のバックパッカー旅に出ていた時のこと。ちょうど英国への留学期間の終わりに、三週間ほどヨーロッパを行脚する旅に出ていた。その旅も終盤に差し掛かった頃、訪れたベルリンで泊まったバックパッカー宿でのことだ。
その日のベルリンは雨模様で、暗くて、夏なのにひんやり寒くて。大好きなヴィム・ヴェンダースの映画『ベルリン 天使の詩』で見た戦勝記念塔を遠くから見たことぐらいしか記憶に残っていない旅だ。別に何かとても悪いことがあったわけではないけれど、無機質で角ばっていて、ほの暗い。ドイツは西欧(または中欧)だけれど、これまで旅をしてきた東欧諸国のような、暗い雰囲気も持ち合わせている。
うっすら残る記憶の中では、とても広くて雰囲気も悪くないバックパッカー宿だったはずなのに。男女混合の大部屋で、大柄な欧米人がパンツ一丁でうろつきまわり、いびきもすごいし荷物も散乱しがち。カップルは薄着で抱き合いながら寝ているし、ありがちな雰囲気ではあるが、体調もよくなかったこともあり、一体自分は何をしているんだろうか…という気持ちに苛まれた。
ちょうど到着した日の夜に、ベルリンに在住している知人に会う予定だったので、なんとか翌日から知人宅に数日、お世話になることになった。その後、連絡がとれない状況だけれど、彼は無事に家具職人として、元気でやっているのだろうか…。そんなわけで、次に旅に出る時は、多少値が張ってもちゃんとしたホテルに泊まろう、と決意した20代後半の旅での出来事。

前置きが長くなったけれど、住まいを地方に移してからも、時々仕事やインプットのためにやらで東京を訪れる機会は少なくないわけで。いつも心温かな友人たちの自宅に泊めていただいていて、本当に感謝している反面、もう良い大人なのに…!と申し訳ない気持ちにもなる。ということで、出来れば今後、上京の際はなるべく一泊は外泊するように心がけたい、という2020年の決意。あちこちインバウンドバブルの影響で、新しい宿泊所が続々誕生していて、そこでの体験に興味津々だということもある。

そんなわけで、さっそく2020年最初の出張では、西新宿にあるTHE KNOT TOKYO Shinjukuに泊まってみた。

THE KNOT TOKYO Shinjuku
住所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿4-31-1
交通アクセス 大江戸線 都庁前駅(A5番出口)より徒歩にて約4分

新宿で古くからあったビジネスホテルをリノベーションしたライフスタイルホテルとのこと。西新宿はアクセスがあまり良くないオフィスエリアでもあり、いつも迷子になるため、個人的にあまり得意ではないエリア。

大江戸線の都庁前駅をおりて、新宿中央公園を通り抜けると大きな看板が。わかりやすくてありがたい…。ロビーから入ると、お客さんはほとんどが外国人で、中央にあるワークデスクで作業する以外に、宿泊者と思しき日本人はあまり見当たらない。

お部屋はあまりランクの高い部屋を予約したわけでもないので、ミニマムなつくり。

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朝食会場にもなるエントランス

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ベーカリーとティースタンド。おみやげにティーバックを買ったけどめちゃくちゃ香りが良くて、また買いに行きたい…!

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TOKYO BICYCLEのレンタルバイクも。奥にはDJブースと2Fのラウンジへ登るための階段。登ったところにこじんまりとしたバーもあって、利用しようかな…と思ったけど、ソロ泊では若干ハードルの高いレイアウトだったので、次の機会があれば…

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MORETHANベーカリーのサバサンドを朝食に購入。輸入モノのオーガニックドリンクが各種販売されているのもありがたい

ラウンジやロビーの雰囲気、ショップなど、どこか日本離れしていて、海外旅行に来たみたいな気分で過ごすことが出来た。なんとなく、東京から引っ越してから、海外旅行にはしばらく行けないな…という気持ちになっていたので、これは海外旅行にとってかわって、とても良い習慣になるのでは、という予感。最近都会住まいでも、集中するためにミニマルなホテルに泊まって作業するような事例をいくつか見かけるけど、なるほどこれか…!!と一つ階段を昇ったような気持ち。2020年は、明るく前向きに、新しい体験を積み重ねていきたいと思っている。その一歩として、とても良い機会になった。

ところで、歩いて数分いったところには色々と銭湯がある。今回利用したのは幡ヶ谷方面に行ったところにあるマンション銭湯の第二かねき湯
非常にこぢんまりとした銭湯でしたが、清潔で湯温高めで、東京らしい銭湯でした。銭湯でホッと一息、最高ですね。


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