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矛盾は利潤?

「福祉現場で役立つ動機づけ面接入門」No22 矛盾を拡大する

 春、桜咲く、ですね。長く険しい冬。しかし、その中でグッとこらえしかし、少しずつ膨らみ芽吹き、ある時期に一斉に咲き誇る。今日は、そんな花の季節にピッタリの内容です。

 私は、兼ねてより、矛盾の中に利潤、つまり、利益があると思ってきました。虎穴に入らずんば虎子を得ず、ではないですが、悩みの中に本質が隠れているからです。本書でも同じようなことが述べられていました。

矛盾を拡大してゴールを目指す

 どういうことかというと、クライエントの価値観と現在の行動とに矛盾があり、その矛盾を拡大することでチェンジトーク(動機づけ面接で引き出すべきトーク)が引き出され、問題が顕在化する、問題が顕在化すればゴールを見つけやすくなる、というわけです。

 まだ、よくわかりませんよね。本書は言います。「自分を変えていくためには自分の中の矛盾を見つけることもひつようです」と。それは、何となくわかる気がします。完全に自己一致していて、自分の価値観と何のズレもない日々であれば(そんなことは稀)、何の悩みや問題も生じません。

矛盾の扱い方

 具体的な方法は、動機づけ面接のスピリットやOARSとして述べられてきましたが、ここでは、矛盾の扱い方について触れられています。

 まず、矛盾には適度な大きさがあるということ。小さすぎては刺激にならず、大きすぎると抵抗を生んで、いずれにしても行動変容には結び付かない。矛盾は行動の原動力にはなるが、クライエントの受け止められる程度の矛盾が必要、ということだそうです。

 そこで重要なのが、少しずつ、という観点。無意識の意識化は、時として荒療治になります。向き合えないからこそ無意識にしまっているわけで、その内容を急に暴露してしまっては、やっぱり向き合えない。だから、少しずつです。

 そこに答えはあるのだけど、焦らず、急がず、ですね!!果報は寝て待てとは言いません。しかし、強引なアプローチはやはりどの療法でも良くない結果を生んでしまいます。

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