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幸福の罠の設計図

幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない No4 四つの神話

 ハッピーエンドのおとぎ話、世間はそんなモチーフであふれている。ハリス先生は、それを「幸福の罠の設計図」の1つ、だと言う。4つある内の1つ。

 では、その4つの神話を見ていきましょう。もちろん、それは、信ずるに値しない、神話…。

1.幸福はすべての人類にとって自然な状態だ

 人間は幸福な状態が自然である、とする我々の文化、しかし、成人の10人に1人が自殺を試み、5人に1人がうつになる社会で、幸福とは、稀なものである。
 そして、不幸なことに、多くの人は自分以外の人間はみな幸福だと信じている。この信念が更に人を不幸にする。

2.幸福でないのはあなたに欠陥があるからだ

 心の苦痛を異常とみなし、苦痛は弱さあるいは病気で不完全で故障した心が原因だと考える。おかげで、自分の弱さ、愚かさを批判するようになってしまう。

 ACTは、全く別の前提に基づく。それは、「健康な人間の思考プロセスは、人間を精神的苦痛に導く」というもの。進化の過程で当然の成り行きと捉える。

3.より良い人生を創造するためにネガティブな感情を追い払わなければならない

 「良い気分」を重んじ、幸福を感じることに取りつかれている社会。ネガティブ感情を追い出せ、と命じる。そこに問題がある。なぜなら、人生で価値があるものは、喜ばしい感情と不快な感情の両方を伴ってくる。価値あるプロジェクトは、興奮や情熱を掻き立てると同時に、ストレスや恐れ、不安をも呼び起こす。

4.自分の思考や感情をコントロールできなければならない

 世の「専門家」たちが主張するほどには思考や感情はコントロールできない。驚くほど多くのセルフヘルプグループがコントロールできると信じている…。しかし、長い目で見ると、それは難しい。

  様々方法を使ってネガティブな感情を一旦追い出す。でも、少しすると、また、戻ってくる…。「悪い気分」の代わりに「良い気分」を得ようとして頑張る。そして、この罠の怖いのは、結果思考や感情のコントロールに失敗すると、自分は無力だ、と自己嫌悪に陥ってしまう、という点。


 この四つの神話が、幸福の罠の基本的な設計図、だと。この設計図のおかげで、私たちは、決して勝ち目のない闘争に駆り立てられてしまう…。

 確かに、頷けます。知らず知らずにそんな感じになっている…。

 それは、文化に規定される所。では、なぜ文化に規定されるに至ったのか?では、また。

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