無能の証明
幸せになる勇気 No23 問題行動の5段階 の第5段階
子ども達がとるいわゆる問題行動、その5段階を追ってきました。今日はその大詰め、5段階目です。
ここまで、特別な存在として扱われようと、さまざまな策を講じ、うまくいかない。憎むことさえしてくれない…。居場所を見いだせない。
第5段階:無能の証明
目的:これ以上の絶望を経験しない
方法:「自分はこれだけ無能なのだから、課題を与えないでくれ。自分にはそれを解決する能力がないのだから」と表明する
例:課題と周囲からの期待を拒絶し、愚者を演じる(時になんらかの精神疾患を疑われる)
願い:「なにも期待しないでくれ」「わたしに構わないでくれ」
対処:専門家に任せる、専門家でも困難事例となることがある
どうすればいいのか…
「われわれ教育者にできることは、あまりにも少ない」と落胆する青年。
哲人は、「問題行動の大半は、第3段階の“権力争い”にとどまってます。そこから先に踏み込ませないためにも、教育者に課せられた役割は大きい」と青年を諭します。
私は、精神科領域で仕事をしており、恐らく、無能の証明段階に入ってしまった方を多く見ております。実際、精神科医療において、この段階に入ってしまった方を治療していくことの困難さはかなりあると思います。
また、医療である以上、”治す”という共通目標のもと皆が働いていますので、対象者の皆さんに、課題を出したり期待をすることが日常です。
また、殊、臨床心理士は、薬が使える訳ではなく(それで良かったと思うこともありますが…)、カウンセリングの技術で無能の証明段階に入ったかたの支援ができるのか…。
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