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クイナをこよなく愛するマングース

時はバブルのまっただ中。都会では高級車や高級クラブ、ブランド品等が支配する中、本州の北の外れで密かに誕生した男

地球世紀19XX年人類史上ごくまれにいる男の物語である。

前回のあらすじ

部隊の士気が低下している事で不安になった上層部。そのため 彼の部隊に新兵器が導入を決定する。その新兵器により部隊の士気は上がった。これで彼の部隊はいっそう強固なものになるはず……だが……

第3話 家の水槽を叩け!後編

新兵器が届き中身を取り出し感極まる部隊員。彼もまたその中にいた。

普段なにをする事もなくドックで寝腐っている彼だが、この日だけは違っていた。彼は砂利の入った袋を手に取ると水槽の中に勢いよく流し込もうとした。その瞬間、ベテランの怒声が響き渡った。

「ダメだ!そんな事したら水槽が割れてしまう!ゆっくり静かに入れろ!」

そう言われて彼は慎重に砂利を敷き詰めていった。いつもの彼なら、きっと投げていたことだろう。しかし新兵器にたいする彼の思いは強かった。

砂利の敷き詰めが終わり水を入れ水草と瀬戸物でできた風車のオブジェみたいなやつを配置する段階に入った。そこで彼はクリスマスでの出来事が脳裏によみがえったのである。そして先輩の言った一言も一緒に。

彼は立ち尽くしその場を立ち去ろうとしたが踏みとどまった。彼は心の中で、「逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!」と強く思った。そして水草などを配置していった。それを見ていた先輩の目を気にしながら。しかし先輩は何も言わず水槽を見つめてるだけだった。彼は緊急と不安の中、作業を終えた。

「これで我が隊もいっそう強固なものになるな!」と司令官はいった。

それから数週間………

彼は人が変わったこのように、水槽に行っては無駄にエサをあげたり、水槽を叩いては金魚にストレスを与えていた。しかし彼には悪気があったわけではなく無邪気に楽しんでいただけだったのかもしれない。

それからまた数日たったある日の夕食の事だった。食事を終えた彼は水槽に足をかけ休んでいた。しばらくすると総司令官が現れたのである。彼は気にする事なく鼻をほじっていたら、みかねたベテランが

「貴様ー!総司令官が御見えになってるというのになんだその態度は!しかも水槽に足を掛けるなんてもっての他だ!早く足をおろせ!!」と言うといきなり彼の頭を勢いよくひっぱたいた。
逆上した彼は「ぶったな!親父にもぶたれた事ないのに!」と言って反発して水槽に掛けてあった足でおもいっきり水槽を蹴飛ばした。

その瞬間、ガラスが割れ、中に入っていた水が勢いよく流れ出しミーティングルームは悲惨な光景と化した……

足の指を負傷した彼は泣き叫び、ドックにこもってしまったのである。

新兵器導入で士気が上がったはずの部隊はわずか数ヵ月でもろくも崩れさろうとしていた………

部隊に新たに導入された新兵器水槽!しかしそれは彼の逆上によりわずか数ヵ月で破壊されたのであった……ドックにこもってしまった彼は今何を思うのか!そして新たな出逢いをし成長していく!

次回 パチ屋脱出作戦!

新しい出逢い!そして別れ!君は本当の出逢いを目の当たりにする!


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